松岡宮のブログ

ぽえぽえ~

お題「この前読んだ本」+「聴いた音楽・観た映画」

お題「この前読んだ本」

 

わたしは読書が好きなのですが、家だと落ち着いて読めません。

つい、別のことをしてしまう。

それもあってSNSをやめたくらい・・・。

 

やっぱり読書って偉大だなーと思い、外出したときや、ちょこっと時間のあるときに、自分でスキャンした本などを読んでいます。ほんとに、ちょこちょこ読み。

 

最近読んだ本について、書いてみます。

 

 

半藤一利ソ連満州に侵攻した夏」

 

 

満州引揚者だった父の残した文庫本。

自分がいま「TikTokで戦争体験をうたう」シリーズを作っているので参考のためにも読みました。

 

父はあまり満州を語らず、その実態がよくわからないままですが、写真アルバムや資料からうかがえる満州での松岡家の暮らしは「当時としては豊かだった」ことがうかがえました。

本書によれば

 

>一般邦人は満州が安全な楽土であると信じ込んでいた

 

と本書にもありました。

しかし、侵攻が起こったとき、一般邦人は現実を知らされず、また守られなかったとあります。

 

>参謀たちが、居留民開拓民を見捨てて逃げるとは何事か

 

と筆者も怒っています。

松岡家はたまたま生き延びたのですが、自決した集落、女性・子どもたちも多かったとのこと・・・胸が痛みます。また、ソ連勝利の祭り騒ぎのなか、日本人とわかると襲われた、ともあります。

 

戦後の平和を生き続けた自分は、めでたいことに、自分が日本国民という理由で襲われる側だという認識はなかったのですが、そういうこともありうることだと気づかされました。

 

日頃のふるまいを用心する必要を感じました。

 

この頃、戦記物が面白いです。そんな年代になったのかな?

父が生きているうちにもっと話を聞いておきたかったです。

 

 

アンデルセン「即興詩人」(口語訳 安野光雅

 

 

分厚い本ですが、1章ずつが短く、また言葉が読みやすく、時間をかけて最後まで読みとおすことが出来ました。

(スキャンしてタブレットに入れて読みました・・・分厚い本は重く、手が疲れるので・・・)

 

アンデルセンの自伝的な小説で、主人公はアントニオ少年。

先生に非難されたダンテの『神曲』に出会い、心の書とし、アントニオも「詩人で、即興詩をもって生きてゆこう」と決めます。

お世話してくれたボルゲーゼ公が詩人になることに好意を持っていないのが、今もそうだなぁという感じで面白かった。

 

美しい歌姫アヌンツィアータとの出会い。そして気高く大人っぽい親友ベルナルドは、いつしか恋のライヴァルに・・・。

 

>愛されたのは友だった

 

とのことで、旅に出たアントニオ。

いろいろな出会いや、生命の危機のなかで、その精神は成長してゆきます。

 

この小説では、ローマやナポリの風景が、とてもあざやかに描写されています。

アンデルセンはイタリア人ではないので、新鮮な目線で、絵のように風景を描く旅人目線があるのかもしれません。

例えばシスティーナ礼拝堂でのカーニバル。

カンパーニャの芦の葉のさえずり。石の彫像。

曇天のナポリのブドウの樹。

自分が一度だけ行ったことのあるそれらの街の匂いを懐かしく思い出します。

 

ユダヤ教徒はローマで自由に住むことが許されず、特別居留地区が設けられ、人の出入りを禁じていたという点もうかがい知れました。

最終的には・・・女は若さと美貌が大事なのか?とも思った本でした(←いきなりなんだ💦)

 

 

 

◆最近きいた歌「ミニー・リパートン/Perfect Angel」

 

 

Perfect Angel

Perfect Angel

  • Minnie Riperton
  • ジャズ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

もともと邦楽ばかり聴いていましたが、英語しばりで聴くようになって2年・・・。

 

やっと最近、ほんの少しだけ英語が聴けるようになり、だんだん洋楽が好きになりました。

 

「ラ~ビンニュ~」で有名なミニー・リパートン。ほかの曲も聴いてみました。

ほんとうに可憐で可愛らしい歌声、歌の世界。声だけでなく、サウンド自体が丸くて優しいです。

古びないのは、なぜかしら?

31歳で亡くなられているとは残念です。

 

 

◆最近みた映画「PLAN75」

 

https://happinet-phantom.com/plan75/

 

U-Nextで観ました。

75歳以上が自らの生死を選択できるPLAN75。しかも死を選ぶと10万円貰える制度。

倍賞千恵子さんの迫真の演技。道路交通案内のお仕事姿が象徴的でした。

 

高齢者がメインの映画ってなかなかないので新鮮で、みなさん、登場するその方たちのひとりひとりの人生を感じさせる演技でした(10万円の使い道を楽しそうに話すシーンとか・・・)。

 

最後は希望と抵抗を感じさせるものでしたが・・・現実はもっとヒドイですよね、きっと。

国や都が終活・エンディングノートを推し進めており、その大事さはわかるものの、最近たしかにこういう傾向行き過ぎに思うこともあり・・・はよ死ね!と言われているようです。

 

生まれ落ちた命はみな尊い、と、言い続けたいものです。

 

となりで観ていた高齢者の夫がちょっとショックを受けていたようであった。

 

 

◆荒木優太「サークル有害論」

 

 

わたしは仕事柄、障害のある方の自助グループなどに関わっています。ある属性のもとに集まる小集団。それがどんなに素晴らしい出会いであるか、知っております。しかしながら、それは膨らみ、ぶつかりあい・・・それはまさに、それ自体、生き物。

 

集団とはどんな生き物であるか?

そんなことを思いつつ読んだ本書は、鶴見俊輔などのサークルの思想をたどり、集団のもつ毒の解毒を目指すとのことで・・・人文的素養のないわたしには難しかった・・・

人文主義の暗がり」という章タイトルが示すように、本書を読むには人文の教養が必要になるのだ・・・とほほ。

 

そんな中、「鶴見のいうサークルも、オルデンバーグのいうサードプレイスに近い」という言葉には、「あ、サードプレイス。読んだことある」と、ほっとしました。

 

第1章は「彼女は頭が悪いから」(姫野カオルコ)を取り上げています。この章で描いたものは、「複数の差異の線が走る小集団の均しにくさ」との記述があり、この章における男女論の丁寧な解説は、権力の非対称性の可視化、ということで自分に足りない解像度をあげてくれました。ヒリヒリさせる第1章から、第2章「男たちの解毒史」につながりますが、「毒」という一般名詞が、この本では深い背景を背負っている語なのでした。

 

本書に引用されていた、谷川雁「断言肯定命題(1961)」の内容が面白かった。

わたしも詩人ですが、一般に、詩集は売れません。詩集は市場化されないが、この無用性の積極的な引き受けによってこそ、経済の論理の外から新たな政治の論理を組み直すことができる・・・そこから、処方箋としての、自己と自己の隙間、第3項の存在が可視化される・・・ほうほう。

定型的に収まりきれない第3の要素には、集団との緊張感を保ち続けるための引力が働くのかもしれません。集団が正円になってしなわないような、個と種の適切な距離、一体化しないような鈍さの必要性、時間の錨。

難しいなりに、身近な例を思い出しながら本書で学び、「楕円の関係を作れているかどうか?」という筆者の問いかけが、少し理解できたような気がしました。

 

「似ているけれど少し違う」の「少し違う」が、きっと障害のある方の自助グループにおいても認識される必要があるのでしょう。

 

あんまり理解できてないから、読み直すたびに新たな発見があるような気がします。

 

 

以上、お題「この前読んだ本」でした。

 

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◆松岡宮からのお知らせ

 

◆2024年5月19日(日)

デザフェスでライブさせていただきます。

東京ビッグサイト南館4階。14時半から15分間。

この日のライブスタッフを募集しています・・・CD「Limited Express 383」「エメラルド・グリーン区」お持ちの方で・・・謝礼だせなくてすみませんが、入場が無料になります。

 

デザフェスとても楽しいので、人生に一度はみて損はないと思います。

参加するきっかけに、ぜひ。

 

◆たのしいハンドメイド♪

 

最近、和服の室内履きを作っています。

このあいだ、はじめて売れて!

好評を博しています。

 

383.thebase.in

 

詩友の青条さんが事務所に来た時、わたしが音楽を付けるための詩を書いてくださいとお願いしたら以下のような手芸詩になりました・・・というかそのとき手芸していたのですよね。

 

www.youtube.com

 

最近、歌も手芸も、以前よりは魅力ある作品が書けるようになった・・・気がします。

 

このシューズをはじめ、また路上でゆかいな手芸品も販売したいと思います。