松岡宮のブログ

詩でうた作り

4度目の串間の旅 その1(あこがれのラウンジ)

はてなブログ今週のお題が「大移動」とのことで、今月、宮崎県串間市に行った記録を書こうと思う。

 

串間市は、宮崎県の南に位置し、鹿児島県との県境にある市である。

 

kotobank.jp

 

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串間シリーズのあらすじ

 

宮崎県串間市は父の故郷。

わたしは、ずっとそこに住んでいた叔父(独身)の身元引受人であったが、叔父が亡くなって家の片づけをしているうちに、気づくとその土地+壊れかけの建物の相続人になっていた・・・。

いよいよ不動産屋さんと逢う約束をした4度目の串間の旅は・・・いかに!?

 

これまでの記事はこちらに。

ekiin.hatenablog.com

 

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4回目の串間の旅。

 

いままで同様、事前に格安航空券サイトで航空機のチケットを購入した。

 

ただ、鹿児島空港よりも宮崎空港を使うほうが安い日があったので「たまには宮崎空港から行こうか」と思い、羽田ー宮崎空港の往復チケットを購入した。

 

たまたま、東京に雪が降った日の翌日のフライト。

わたしの乗る便は定刻通りで、運の良い旅となった。

 

東京は雪景色の朝。

 

今回の旅は、今までとは違う点がいくつかある。

 

まず、わたしが、「ゴールドカード保持者になった!」ということが挙げられる。

 

ドケチなわたしが、年会費11000円くらいするau PAY ゴールドカード会員になったのは、au SHOPで「あなたの状況ならポイントが溜まりやすいですのでお勧めします」と言われたからであり・・・つまりはただの「ポイ活」である。

 

確かにわたしは異様にauを使っている、が・・・今のところ、たまったPontaは年会費を少し上回るくらいかと・・・。

 

www.kddi-fs.com

 

せっかくゴールドカードを持ったのだから、何かメリットはないのかと調べていたところ、「空港ラウンジが利用できる」とあった。

 

www.kddi-fs.com

 

・・・「空港ラウンジ」って何だろう?

 

・・・らうんじ、オレンジ🍊、今なん時⌚?

 

・・・恥ずかしながら、今まで意識したことがなかった。

 

らうんじ。

その実態がよくわからないが、なんとなく蘭の花がたくさん飾ってあって、セレブだけが入れるゴージャスな会員制クラブみたいなものかな・・・接待されたりして・・・?などと想像し、「よし、いままで使ったことのない空港ラウンジを絶対使うぞ!」と心に決めた。

 

また、行きの飛行機の時間がそれほど早くない点も、今までの旅と違う点である。

時間に余裕があるのは本当に良いことで、ゆっくり起床し、近所の雪景色を撮影する余裕があった。

それから持ってゆく荷物を再検討する時間もあった。今までの旅ではたくさん持って行ったものを、いやいやそんなにいらんかも・・・と戻すものもあった。例えば、内側に着るインナーや靴下、モバイルバッテリー、ヘアオイル。それぞれ1つあれば良いのだと気づいた。

 

そして、例によってお弁当を作る。

 


お弁当の彩りにも時間的ゆとりが感じられる(個人の感想です)。

 

 

そして服装。

今回は「不動産屋さんに逢うのだから・・・」と、なぜか気合を入れたスーツっぽい服を選んだ。

 

 

油断大敵、仕事モードを緩めるな・・・

 

そんな気持ちで、今までの旅よりもいくぶんエネルギッシュな方向に気分を高めつつ、雪の残る地面をまばゆく見つめながら、かなり早めに蒲田へと向かった・・・

 

そう、「ラウンジ」に、行くのだから。

 

 

かなり時間のゆとりを持ってJR蒲田駅に到着したところ、パラパラと小雨が降っている。

 

JR蒲田駅から羽田空港までリムジンバスで行くことも考えたが、蒲田駅の商店街を歩けば屋根もあるし雨に濡れないと考え、ゴルンゴルンとカートを引きずりながら京急蒲田へと向かった。

京急の「あすと商店街」は様変わりしており、ずいぶん新しい店ができていた。

 

京急広軌の紳士。いつ見てもかっこいい。

 

このホームに来れば、もはや空港、フライトの始まりだ・・・気分が高まる。

 

到着した空港行きの列車は混んでいたが、大鳥居駅で座ることができたので、改めて航空券を確認する。

ソラシドエア。間違いない。

 

終点で降り、間違えないよう今回はSNA(ソラシドエア)だとつぶやきながら第2ターミナルへ向かう。

 

 

空港で早速搭乗手続きを済ませ、航空券を大事に握りつつ、手物を自動で預けた。

自動荷物預け機にスーツケースを入れると、ガチャンと扉が閉まる・・・そう、今どきは自動で預けるので、大丈夫かな、自分の荷物の中にまずいものはなかったかな・・・と心配になりつつ、機械から吐き出される預かり証を受け取った。

 

航空券や預かり証を保管するのに、適当に自作したスマホケースが役に立った。

 

さあ、いよいよ、ラウンジだ。

 

チケットを手に持ちながら、立っているスタッフに

「ら、らうんじってどこですか?」

とたずねたところ、

「中ですか?外ですか?」

と聞かれた・・・

 

ん、外


・・・保安検査前にも行けるのか、らうんじは・・・・?

 

どうやらゴールドカードで使えるのは「カードラウンジ」と呼ばれるラウンジのようであるが、出発ロビーにあるカードラウンジもいくつかあり、最も近いのは「POWER LOUNGE CENTRAL」というところらしい。

 

今いるフロアからひとつ上がった3階にあるとのこと。

今まで行ったことがないフロアであり、ずいぶん片隅にあるのだなと思いつつ向かうと、いかにも入りにくそうな入り口がみえた。

 

 

ら、らうんじは・・・あ、あそこか・・・。

 

照準を定めつつ25メートルほど手前からゴールドカードと搭乗券を用意し、無事に中に入ることが出来た。

 

いよいよエンターした人生初のラウンジは・・・中に人がぎっしりいるのに驚いた。

 

軽いピアノ音楽が流れており、ほとんど人の声はしない。

子供の声がしないこともないが、静けさを守れる人のための空間という印象であり、うかつな動作をしてはならないと感じた。ただ、咳をする人は多かった。

 

灯りを落とした上品な空間のなか、ゆったりと空間を確保する大きな椅子で区切られた各席には電源やUSBが設置されており、多くの人はパソコンに向かっている。

 

混んでおり空席のほうが少ないくらいだったが、2階の空間を見下ろす席を一つ確保でき、荷物を置いてコーヒーを取りに行った。

 

しかし、飲むのは、ちょびちょび。

トイレが近いので、乗り物に乗る前はあまりぐいぐい飲めないのである。

 

いまさっき、自分がいたフロアを見下ろすと、少しだけ空の旅のツウにでもなった気分。

 

そして気づく。

 

ラウンジはオフィスだったんだ。

 

空港は都市間移動のための「つなぎ目」という役割をこえて、移動する人が働く場になっていたのだ。リモートオフィスのようなラウンジに身を置きながら、たまたまスーツみたいな服装をしていて本当に良かったと思った。パソコンを荷物に預けたあとだったのは惜しかった。しかたなく空港Wi-fiをつなぎながら、タブレットでなんとなくアンデルセン「即興詩人」(安野光雅訳)を読んだ。主人公アントニオの親友ベルナルドが教会の学校を飛び出し近衛兵になり、「僕は男になったんだ」と主人公にいう。ローマの少年の物語がこの胸によみがえり、旅する気持ちがよりいっそう搔き立てられた。

 

 

 

そして、保安検査が終わり、いわゆる「中」、出発ゲートエリアに入ってからも、カードラウンジに行ってみた。ここは「POWER LOUNGE NORTH」という名前のラウンジで、やはり入りにくそうな入り口がみえる。

相変わらず10メートル手前からカードと航空券を準備しつつ、中に入れてもらうとそこは(先ほどのラウンジとは違い)窓から滑走路が見えて光が差し込む、明るい場所であった。

 

・・・・おお、飛行機が近い!

 

思わず友人にメッセしてしまった。

 


清潔感あふれるラウンジでは、長い髪をお団子に結んだスタッフが、シュッシュッと液を吹きかけ、机を拭いてゆく。あなたはここに居てはいけない人だと、あるいはあなたはラウンジ慣れしていませんねと思われているのではないかとひやひやした。

 

ここは先ほどのラウンジほど混んでいないので、ゆったりと荷物を広げ、ふたたびタブレットで読書の続きを行った。

アンデルセン「即興詩人」の主人公アントニオがユダヤ居留地区の女の子に出会う・・・恋の予感・・・

 

ふと目を上げると、通路の向かい側の席に、父に似た男性をみつけた。

 

アーガイル模様のセーターを着ているその知的なおじいさんは紙コップを持って椅子にかけたが、やがて、読みかけの本を机に伏せ少し傾く。居眠りをしていたのだ。そんな姿勢も亡き父を思い出させ、これから(もう誰も残っていない)父の実家に向かうのだということを改めて思い出した。

 

ラウンジの窓から、曇り空と航空機の群れがみえる。ラウンジはいいところだ。

 

しかし・・・お弁当を食べたくなってきた。

 

そう、わたしが今朝、詰め込んだ、あの、お弁当。

だが、ラウンジは食べ物の持ち込みができない・・・

 

うーむ、お弁当食べたいな・・・

 

・・・そのような理由で、せっかく入った素敵なラウンジであったが、早々と外に出ることにした。

 

そして出発ゲートのそばの椅子に腰かけながら弁当をたいらげた。

 

ラウンジと違い、ここはにぎやかだ。あと7分で長崎に出発するみつ子さんがしきりに呼ばれている。子供が騒いで叱責される。外国語の大声。行き交う人々。弁当のにおい。

 

ああ、わたしはこういう雰囲気が好きだ。何ならコーヒーも持ち歩いているし、充電だってラウンジ以外にできる場所もある。わたしは何も、ラウンジを必要としていなかったのだ。

・・・結局、手作りのお弁当を持参するような乗客はラウンジむきではないのだ・・・

 

それが結論である。

 

 

それからの宮崎へのフライトや旅の中身についてはまた別の記事に書く。

 

 

帰りの宮崎”ブーゲンビリア”空港にもラウンジがあるらしいので、帰りに寄ってみた。

その場も「ラウンジひなた」。

宮崎らしく、南国風の植物が出迎えてくれた。

 

 

ここもやはり、働く人のための場という印象であり、各机に充電・USBが備えつけられており、携帯電話で話すスペースもあった。

 

また、ラウンジのトイレがありがたかった。

 

 

雑誌があったのもうれしかった。さっそく日経WOMANを読む。成功した女性の忙しい物語をふんだんに読むが、自分がダメな人間すぎて参考にならない。とても面白かった。

 

そして相変わらずタブレットで「即興詩人」を読みながら、フリードリンクをありがたくいただいた。即興詩人の主人公アントニオには体の不自由な叔父がおり、あまりいい書かれ方をしていないが、その叔父は物語に現実的な深みを与えていた。

 

詩人のわたしは松岡の叔父の死後を片付ける旅の途中ですよ。

 

安心してください、叔父さん。しっかりやりますから。

 

 

今週のお題「大移動」ラウンジ編のまとめ。

 

この旅で、3つのカードラウンジを堪能した。その印象をまとめると、ラウンジは大移動のさなかに仕事ができる貴重な場であった。飛行機の時間よりも早めに空港に行けば、そのメリットを享受できそうだ。ラウンジを活かすためには、手作り弁当や水筒はいらず、パソコンがあるとよさそうだった。

 

よし、次回のフライトでも、活用しよう。

 

暖かい宮崎空港「ひなた」ラウンジから、まだ寒い羽田空港まで。時間にゆとりを持ちながら、行きよりやや混雑したソラシドエアに乗り込んだ。

 

(つづく)

 

 

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