ポエトリー松岡宮のブログ

気管支喘息でひぃひぃひぃ

田町、まちがえてはいけない街。

仕事する前に海が見たいんです。やさしい凪の、曲線の波を。

 

山手線の南側にある駅からは、海が見えるイメージを持っていた。静かに波が打ち寄せる晴れた土曜日の東京湾、仕事の前に少し海が見たくなった。

そして、田町と品川の間にできた新駅・「高輪ゲートウェイ駅」からそんな風景まで歩いてゆけるのではないか・・・

 

何も調べずにそんな夢想をしてしまった。

 

しかし、そんな願いは、駅員のとぼけた演技力が光る以下のポスターで打ち破られた

「高輪ゲートウェイ」駅から海側に出るだけで徒歩20分!ということに驚いた。

都会では駅から出て向かう方向に決まりがあるのだ。まだまだ建築途中の新しい駅なので仕方がない。

ふたたび山手線に乗って、となりの駅・田町に行ってみた。

この駅は港区にあり、大学生やサラリーマンが多く勤務する駅というイメージがある。

これまであまり縁はなく田町で降りて散策する機会はなかったが、素敵なカフェなどがあるのではないかと期待しながら下車した。

 

改札を出てそのままデッキを右折すると、進行方向に沿って青・赤に塗り分けられた歩行トラックがあった。

 

 

その明確な歩行トラックは、平日の朝の人通りの多さを想像させた。田町では自分がどこを歩くべき人間なのかが決まっており、その決まりを守らないといけないのだ。振る舞いに気をつけ、まちがえないようにしなくてはならない街、たまち。

 

大きなビルに囲まれた風景は四角く青に染まり、わたしが目指すカフェはその閉じたキューブのなかにあるようである。どんなカフェがあるのだろうか、と、ビル店舗の案内をしげしげと眺める。カフェだけでなくグルメなお店も多そうで、食事もしようかなと思いはじめる。

 

振り返れば、建築現場の黄色いクレーンがまぶしい。青の補色の黄色はまるで都会の花束、菜の花畑だ。その奥に京浜東北線が走行しており、これも青のラインを沿える。抽象画のようにクリアーな景色に、色づいたばかりの紅葉が淡い紅を差す。それはまちがえて生まれた命のあらがいのよう。都心の晩秋はもっとも美しい季節だ。

 

 

地上に降りずにそのままテラスを進み、無機質なビルのうちのひとつに入る。あまり位置関係がわかっていなかったが、おそらくわたしはムスブ田町の「田町ステーションタワーS」というところに行ったようだ。

 

www.msb-tamachi.net

 

自動ドアが開くと、個性はないが魅力的な飲食店が並んでいる。どれも同じに見える中に、よくよく見れば個性があるようである。週末のお昼ごろであったが、どこもすいていた。しかし値段は安くない・・・カフェか、食事か、どこにしようか迷っていたところ・・・

 

「すべてのランチメニューにドリンクが付きます」

 

そんな看板の文字が見えたので、シュマッツ・ビア・ダイニングに入った。

ドイツ風ダイニング?よくわからない。

 

お店はたいへんすいており、わたしが最初の客だった。

 

 

肉のステーキをトマトソースで煮込んだ何かを頼んだ。

分厚いお肉、つけあわせの野菜とパン2枚、とても美味しかったが、食べきれるはずもなく、お持ち帰りにした。

 

 

そして看板にそんなことは書いていなかったがランチにドリンクがつくのは週末だけとのことで、結局1700円を超える会計となった。

まちがえてはいけない田町でわたしはまちがえてしまったようだが、2食分という感じなので、まあいいか・・・。

 

まちがいだらけの大田区民が、よく晴れた港区を歩く。どこか不自由そうに水をたたえる細い川と、上空にはモノレールがみえてくる。

空間を横に切り取りながら、モノレールがひっきりなしに行きかう。空間を縦に切り取るのは高層ビル。川の水面は奥行きを描く。3つの直線が構成する空間を、若い夫婦とベビーカーが切り取ってゆく。若いパパの身長は高い。わたしはおなかがいっぱいだ。ステーキの腹持ちのよさ。トマトソースの後味を思い浮かべながら、最初の目的を思い出した。

 

・・・う、海はどこ・・・?

 

そしてGooglemapをみてみた。遠い。

 

 

そうか、レインボーブリッジまで歩かなくてはいけないのか・・・曲線までは、なんて遠いの。

 

田町から海までは、けっこう離れていることがわかった。

そのあとの予定もあったので、駅まで戻った。

駅まで戻る道の名前は「なぎさ通り」、いろいろな店がにぎやかに立ち並び、それぞれの素敵な空間を空に向かって広げていた。その賑わいは懐かしい「商店街」の雰囲気だった。

最初からこちらの商店街を歩けばよかったと思ったが、次に来るときの楽しみにとっておこう。

 

次は、田町から高輪ゲートウェイまで海側の道を歩けるようになっていることを願いながら、品川方面の列車に乗って蒲田に戻った。

 

(おわり)

 

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こんにちは、松岡です。

秋は蒲田の事務所でひたすら大学の講義に追われています。非常勤講師なのであちこちの学校をかけもちしながら時にオンライン・オンデマンドで講義を行っています。学生の熱心さに助けられ、学校には感謝の日々ですが、そうした知的活動を支えるにはスペックのよいパソコンが必要になります。

わたしを雇ってくれている大学が4万円ずつ出し合って買ってくれないものか・・・サンタさん来ないかなぁ・・・などと夢想しています。

 

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また作品のなかでお会いしましょうね。