◆はじめに
少年の3分の1以上は、自分の持つ
ことができる最も重要な資質は、世間的に見ると、強さとタフであることだと考えている。そして、ほぼ同じ割合の少年が、恐怖や悲しみは抑えなければいけない感情だと考えているのだ。
(エマ=ブラウン著 山岡訳 「男子という闇~少年をいかに性暴力から守るか」p20)
それは、あまりに自分から遠い病名だった。
「喘息」。
ぜんそく。
(ぐおっほ、ぐおっほ うう)
咳は出る。
しかし元気だ。
熱は無い。だるくもない。
日々、地下鉄の階段をかけあがるほど元気いっぱい、なのだが、特に夜になると激しくなる咳と、日ごとにダメになってゆくような声。家族が病院に行けというので、やっとのことで医療機関に行く気になったのだ。
「近所の耳鼻咽喉科に行ったら?」という家族の声を無視して呼吸器科を選んだのは良い選択だった。
以前に1度だけ行ったことのある近所の呼吸器科に朝イチでゆくと、待合室にはほかに患者もおらず、すぐに診てもらえた。
(ぎほ ぎほ んん)
問診のあと、息を吸って、はい止めて、肺の検査。アニメの雲を上に上げるように息を吐いて、呼気の検査。そして血液検査。
クリニックのベンチで次の検査を待つたび、咳、咳、咳。
手際のよい検査たちの結果、肺には問題なかった。しかし呼気中の一酸化窒素(NO)検査が高値であり、明確に「咳喘息です」と診断された。
そしてステロイド吸引薬と咳止めの漢方薬もいただいて、ミッション達成。
「ハイハイ、咳喘息ね、わかりました。」
予想よりも首尾よく診察が終わったので、申し込んであった大規模セミナーに午後から出かけることにした。
が、行きの電車で止まらぬ咳、咳、咳。
さあっと離れてゆく乗客たち・・・
このご時世、無理もない。申し訳ない。
自分が咳をすることで周囲にいらぬ緊張と不快感をもたらすこと、たいへん申し訳なかった。
そこで、新型コロナで社会全体が不安になっている折でもあるので、「ぜんそくバッジ」をつけることにした。(画像は「いらすとや」より)。
ときどき電車内で子供がこういうバッジをつけてるのを見るので、マネをしてみたのだ。
だが、こういうものを付けることに、自分のなにかが抵抗する。
自分は弱い人間ではない。
強く自立した人間は身体の不調を訴えてはならない。わたしは強く大きな人間で、ひとの上に立ちひとを支える職能の人間で、他人に支えられてはいけない。そんな思いが心の深いところでウッドベースを奏でる・・・ドムドム ドムドム・・・キックを4つ打ちする・・・「他人に心配をかけてはならない。」・・・・その残響がいつまでも止まない。
そんな「イキガリ」は「ばかばかしい」と、頭ではわかっているのに、その低い音はなぜか止まらないのだ。
声がつぶれる恐怖がなければ、薬など飲まなかったことだろう。
自分は弱い人間ではない。
(ごっほ ごっほ、んんん。)
◆
さて、わたしのCD「Limited Express 383」(特急ミヤサン)が、ディスクユニオン様で改めてお取り扱い開始ということで、多くの店舗で販売開始となった。ありがたい。
それは早くも梅雨入りの気配ただよう6月6日。
本来のリリース日からちょうど8年経過した、記念の日。
<プロモーションをどうしたらいいのかわかりません!>と悩むわたしに、インディーズ担当の方が本当に親切で、「例えばあるアーティストさんは店舗をまわってポップを書いたりしてますよ」と助言してくれた。そこで、CDを置いて下さっている店舗をすべてまわることにした。
具体的には以下の店舗である。
◆新宿 日本のロック・インディーズ館
◆ROCK in TOKYO(渋谷)
◆お茶の水駅前店
◆下北沢店
◆吉祥寺店
◆池袋店
◆町田店
◆名古屋店 ←
そんなわけで、特急ミヤサン・ディスクユニオンの旅(前編)のはじまりはじまり・・・。
◆吉祥寺編(既遂)
ディスクユニオンをすべて回ろうと思っても、仕事の都合もあってあまり時間を割けるわけでもなく、路線図を見ながらまとめて行こうと計画を練る。
アルバイトの帰りに行けそうな店舗もあったが、なんとなく仕事帰りに行くのは気が引けてしまう。何しろCD店に挨拶にゆくのはエネルギーが必要なのだ。いつもの受け身でシャイな態度を切り替えて「特急ミヤサン・モード」で行かないと店舗で店員さんに声をかける勇気が湧いてこないのだ。
手書きの路線図を作って、どの店舗から行けばいいか、あれこれ計画を練った。
◆
ここで少し、CD営業の話を書く。
「Limited Express 383」は2枚めのプロレコーディング音源である。
2005年に1枚目のアルバム「車掌もひとりぼっち」を製作したとき、製作を手伝ってくれた会社の方が「CDリリースシート」みたいなA41枚の書類を作ってくれて、以下のように営業の仕方を教えてくれた。
「松岡さん、やっぱりね、アーティストさん本人が、営業に行くのがいちばんなんですよ。試聴用のCDとこのシートを持って、松岡さんの好きなお店や、ご出身など関係のある地域のCD店を廻ってみて下さい。」
そのアドバイスをきっかり守って、あちこちの街で、あちこちのCD店の店員さんに声をかけた。結果として、「車掌もひとりぼっち」はタワーレコード渋谷店、浅草・音のヨーロー堂にて大きめに展開していただいた。しかし、もちろんそれ以外のお店への営業もしている。中には、けんもほろろに扱われたり、柔らかではあるが「お取り扱いできません」と言われたりした。
かようにCD店への営業はほろ苦い思い出が多く、あの時の体験、この時の切なさ、苦い思いが胸を刺す。
今回は、すでに置いて下さっている店舗に行くので気持ちは楽なはずなのに・・・やっぱり、自分などが店員さんに声をかけていいのか、お邪魔ではないのか・・・と、気持ちで負けてしまいそうになる。
(ごほごほ。)
◆
それで、ディスクユニオンめぐりをどこから始めようと思ったとき、吉祥寺はパルコ内にあることもあり、午前中から営業している数少ない店舗のようなので、まず最初は吉祥寺店に行くことにした。
我が家からは、渋谷乗り換え、京王井の頭線に乗る。
京王井の頭線渋谷駅。
岡本太郎の巨大な絵に見送られ、久しぶりに乗る井の頭線。駅名のもつ感じを忘れている自分に気づく。
・・・永福町と西永福の違いとは・・・?
・・・久が原、久我山、どっちだっけ・・・?
・・・だが、移動するのは始発から終点、「渋谷―吉祥寺」なので、何に乗っても到着できるだろう。
井の頭線は始発から終点まで20分程度の短い路線である。
窓の外の花たちに夏の気配を見出しながら、すぐに吉祥寺にたどり着いた。
色とりどりの車両があじさい花のように咲く、6月に似ている井の頭線。
ハイセンスな大人の街・吉祥寺。
ミントグリーンの水森亜土ちゃんの看板も上品な吉祥寺アーケード。吉祥寺にたまに来ると、おしゃれなカフェ、雑貨屋さんなどのお店が目に楽しく、とても上質で文化的な駅だなと思う。プロミスの看板も見えるが・・・。
ディスクユニオン吉祥寺店は、パルコの地下1階にあるそうで、すぐにたどり着けた。
トイレに行って身だしなみを整え、ドキドキしながらディスクユニオンに入る。
それなりにバラエティ豊かな層のお客さんが、あちこちでCDやLPをDIGっていた。CD店にもお客さんは結構いるものだなと感じた。
静かに店内に目を走らせ、また、ゆっくり店内を練り歩き・・・
・・・あ あった。
インディーズコーナーに自分のCDをすぐに見つけることができた。
しかし、店員さんに話しかけていいものか・・・?
チラチラとレジの方をみて、少し逡巡して、店内をぐるりと廻ったりしたが、勇気を出して接客していない方に近づき、話しかけてみた。
緊張のあまり機関銃のような言葉になってしまう・・・
「あの、この、ま、きのう、CD発売日で、CDを、お、おいて下さっている、松岡です、松岡です・・・」
きっとたどたどしかったと思うが、「ご来店ありがとうございます。担当者お呼びしますね」と、慣れた感じで応対してくれた。
すぐに出てきた担当の方は親切で、「初めてなので・・・」と悶えるわたしにポップを持ってきてくれた。ちなみにこの店舗は黒いポップだった。
吹き出し型と四角い形とどちらがいいですか?ときかれて四角い方を選んだ。
実は家で少し練習をしたのだが、いざ店舗でペンを持つと、気の利いた文面は思い浮かばない・・・。
わけもなく猫も描いてみたりして・・・
わりと地味なポップになってしまった。
そしてツイッターでもご紹介いただいた。
元気、元気。チカラこぶ。
あの、さわやかな担当の店員さんがかいて下さったのかな。ありがとうございます。
その担当の方がとても良い方で、わたしがお店を出るとき、いつまでもいつまでも見送ってくださった。わたしは何回も何回もふりむき、あ、まだ見送って下さっていると気づき、その都度頭を下げながらお店を出てエスカレーターに向かった。頭を下げながら後ろに下がる挨拶ダンス。柱があったらぶつかっていただろう。通行人のみなさん、すみません。
はあはあ、ミッション達成。
1軒だけでかなり疲れたが、さあ、次はどの店舗にしようか・・・。
◆下北沢編(未遂)
吉祥寺から下北沢は、井の頭線で10分ちょっとなので、
「よし、下北沢店に行こう。」
下北沢駅の変貌は大きい。小田急線が地下化され、井の頭線とのつながりを失って・・・なんて、そうなってからもう何年もたつのに、自分にとって下北沢駅は昔むかしの思い入れが大きすぎて、「この駅は変貌した!」そればかりが口をついて出てしまう・・・。
駅を出ると、小田急線がそこになく、代わりに広場があることに、いまだに驚く。
変貌する下北沢駅。
その変貌のぶん、駅前にオープンするお店たちは令和の時代のトレンドを持っているように感じられる。
ああ、こんな風景はなかった、はずだ。昔はどうだったのか、頑張って思い出そうとする。オオゼキがあったような気がする。そういえば詩友の青条さんの文に「海鮮居酒屋の文字がロマンスカーに映る」というのがあった(「オレンジをアップデート」)。ピカピカのロマンスカーは街の風景を映していたものだが、地下化された小田急線はもう風景を写すことはない。そしてロマンスカーに映されることのなくなった風景も、時代の波にさらされ変化し続けてゆく。ひとつの路線が地下化されることによって生まれた駅前広場ではPCR検査のテントが立っており、今なら無料で検査できることをアピールしていた。なんだかすべてが演劇のようだ。
ところでわたしは方向音痴である。
自由が丘や下北沢のように2線がクロスする駅はいつも方向感覚が鈍くなる。もっとも小田急が地下化されて、迷いにくくなったはずなのだが、土地勘がないこともあり、やっぱり迷子になってしまった。
・・・ディスクユニオン、こっちのはずだが・・・
・・・ああ、本多劇場の近くじゃなかったのかな・・・・
うろうろしているうちに霧雨も降り始め、傘も無いのでコンビニの屋根で雨宿りをしながらスマホでマップを出す、ディスクユニオンはどこだ、そうか、スズナリの近くか・・・。
ザ・スズナリのあたりは、駅前の新しいお店が立ち並ぶ風景とは異なり、昭和の雰囲気を残している。このあたりは小劇場も多く、古びた小さな建物は時代の流れに抗っているようにも見えた。
降り出した霧雨の粒が髪に浮く。
やっとディスクユニオンにたどり着くことができた。
ごっほごっほ。
古きものが抵抗するかのように残っている街のなかで、中庸を保つように静かに佇むディスクユニオン。店内は広く、多くの男性客が真剣な手つきでDIGをしていた。
このお店はUSEDの音源が多いように見えた。自分の挨拶という要件がなければ買ってしまいそうな魅力的なCD・LPが見受けられた・・・例えば昔のアイドル、斉藤由貴、岩崎宏美・・・ほしいなあ、買っちゃおうかな・・・いや・・・。
平らな倉庫のような雰囲気の店内に、JAZZ、洋楽、クラシック、クラブミュージックなど、自分が知らなかったジャンルの音源が数多く並べられている。少しダークというかくすんだ雰囲気のなか、自分のCDがこの店舗のどこかに置いてあるような気がしない。どこにありそうだか、よくわからない。いや、この雰囲気のなかで、自分のCDが売られているという気がしない。店のせいではない、自分の疲労のせいだ、ごっほごっほ、CDを抱えた店員さんとすれ違う、ぶつかりそうでよけて、すみません、という・・・ああ、ダメだ、疲れてる、探せない・・・
ダメだ。帰ろう。
けっきょく、店員さんに声をかけられずに、お店を出てしまった。
霧雨が髪にふりそそぐ道を、すごすご、駅まで戻る。ひとり猫背になって濡れながら歩くと、新しくできたと思われるガード下のカフェなどはカップルや友人たちでにぎやかだったので、一人歩いている自分がなんとなくみじめに思える。
負けたのだ。
自分をおとしめる自分に、負けたのだ。
駅の改札口で立ち止まり、一休み。
そうだ、いい機会だからこのまま小田急線で町田に行こう。
◆町田編(既遂)
・・・丸々太った3人兄妹の末っ子。身体が丈夫で負けず嫌いで可愛げのなかったわたしは、母からあまり構われることのない子どもだった。
どうして姉ばかり関わられ愛されケアされるのか。どうして。どうして。
うまく言葉に出来ない思いを・・・
ほん、ほん、ほん。
あの頃、わたしは親に心配してほしくてわざと咳をしていた。
ある日、母が姉に言っているのを聞いた。
<あの子の咳は わざとやってる咳だから>
・・・ああ なぜ ばれてしまったんだろう
・・・ ああ 恥ずかしい。
・・・ わたし もう一生 咳なんて しない
そしてなぜか詩を書き始めた。ほん、ほん、ほん。
◆
(ごっほ、ごっほ、うう。)
咳き込みながら下北沢駅の長いエスカレーターをいくつも降りる。
地下化した下北沢駅にはまだ慣れない。深いホームにたどり着くと、すぐに快速急行がやってきた。車内はほどほどに混んでいたが、ひとつあいている席にすわった。次の咳は出ないようで、ほっとしながら、タブレットで「男子という闇」という本を読む。男性が自分の弱さをいかに出せないかということがそこには書かれていた。
私が今ここで言いたいのは、まずは「有害な男らしさ」という言葉を捨てようということだ。その言葉は、少年たちが直面しているプレッシャーを簡略的に表現している一方、議論の余地をなくし、反発を招くような意味合いも含んでしまっている。私が出会った多くの少年や男性は、「有害な男らしさ」を男性に対する攻撃だと、また男性を本質的に有害だと決めつけるものだと解釈している。
(エマ=ブラウン著 山岡訳 「男子という闇~少年をいかに性暴力から守るか」p27)
となりに座っていた女性が反対側の手すりに頭をもたれかけて寝ている。七分丈の白いトレーナー。幾筋もの傷跡をその腕に見つける。何も感じない、感じなかった、ように、目をそらす。そして、快速急行が登戸に停まるころにはわたしも転(うたた)寝のなかに溺れていた・・・
・・・夢うつつの中で聴いた男性の声、「空調は自動となっております。お寒い方は弱冷房車の2号車をご利用ください」というアナウンス。低音が響くいい声だなと思ったが、そのあとに英語のアナウンスが続き、自動音声だったと気づく。鉄道員の声が自動の声だということ、うん、知っている・・・知っている・・・小田急のことなら、良く知っている・・・まかせろや・・・
快速急行は町田に向かって快調に進む。
春木立、緑の梢を揺らしながら、西へ、西へ。
若いころは神奈川県厚木市在住で、柿生駅が最寄りの桐蔭学園(神奈川)に通っていたわたしにとって、町田はふるさとのような街である。よくCDや古本を買いに、高原書店に行った。
亡き父も生前、町田の高原書店を愛用していたらしい。
そういえば、厚木の病院に入院する末期癌の母を見舞った帰りになぜか町田に立ち寄って、どこかのCD店でさだまさし「夢百合草」を買ったことを覚えている。
紡ぐ幸せ 不幸せ
夢見る夢子の夢百合草が
あるすとろめりあ
あるすとろめりあ
そっと昨日を消しに来る
あるすとろめりあ
あるすとりめりあ
愛しい人を連れて来い
(さだまさし「夢百合草~あるすとろめりあ」より)
あるすとろめりあ・・・
あるすとろめりあ・・・
そんな歌を口ずさんだのも、ちょうど20年前の6月だったと思い出す。
町田には楽しい思い出もある。まだ20代の頃、女友達のAが男子2名を連れてきて、4人で居酒屋で飲食したことがあった・・・駅ビルの上のほうの居酒屋で・・・いま思えば合コンじゃないか・・・競馬が好きな男のコたちと、何事も起こらなかったな・・・。
・・・ふと思い出す。厚木のCD店「タハラ」に、CD「車掌もひとりぼっち」を置いてほしいと営業に行ったことがあった。「自分は厚木の出身だから、CDをぜひ置いてほしい」とお願いをしたのだ。そして、お店の方は丁寧だったけれど、2度目に「いかがでしょうか」と行ったときに、「あ、はい、話し合いましたが、申し訳ありませんが、置くことは難しいという話になりました」と言われたのだった・・・。
あの時、ちょっとがっかりして、やっぱり神奈川県はダメなのかなあ・・・と思ったものだ。
だが、元気を出せ、自分。
町田は東京都だ!
わたしのCDを置いて下さっているという事前情報を得て行くのじゃないか・・・
元気を出せ、自分。
町田といえば、最近は仕事で幾度か訪れた。
原町田の繁華街にある「町田市民フォーラム」のボランティアセンターで、わたしがレクチャーする機会をいただいたのだ・・・大田区から仲間を2名、連れて行ったな・・・
・・・などと思っていたら ディスクユニオンがその同じ建物にあった。びっくり。
やだわー、そこにいたの?
書店「久美堂」も同じ空間にあったが、郊外のおかげなのか、他の店舗よりも広々としている、やけに落ち着いたディスクユニオンであった。ここもまた年配の男性客が多く、このような時代でもCD店にお客さんはいっぱい来るんだなあと思いつつ、ジャズ、ワールド、パンク、クラシック、巡り歩く広い店内・・・
あった。
片隅に自分のCDを見つけた。しかも町田店は、ジャケットが見えるような配置で置いてくださっていた。
高鳴る胸の鼓動を落ち着かせるために数分待ち、思い切って店員さんに声をかけてみた。
すると、とても親切な店員さんがペンを貸してくれ、無事、ポップを描くことができた。
お店のツイッターはこちらです。
うん、なかなかいい写真。
わざわざ店外で撮影してくれたが、CDを持って出るときにゲートの安全装置が作動して大変だった・・・。すみません、お騒がせしました。
ミッション達成!
しかし、この日はシャツワンピース1枚にスラックスの格好で、暖かめの素材の服だったが、どんどん寒くなってきた。うっすら降る雨と寒さで身体が弱って行くのを感じ、ひとまず、カフェで休憩をすることにした。
原町田の商店街を歩くとカフェ・ヴェローチェがあったので入り、サンドイッチとブレンドを頼み、電源のある席で、パソコンを広げて、いろいろな方に必要な連絡をした。
たとえば森社長に、「いま例のCD、ディスクユニオンさんで展開してもらってますが・・・良かったでしょうか・・・」とメッセージを入れると「すごい!」と返信が来た。
勝手に営業しているので、認めてもらえて、安心した。
やがてカフェ・ヴェローチェの広い店内がどんどん混みはじめた。ご高齢の男性のお一人客が多い。ひとりひとりが島となって、会話を交わすわけではないけど、輪郭の際立った男性の身体がそこにあり、島のような際立った存在が、ぽつんぽつんと並ぶ、きっとそれだけで十分にふれあっているのだ。その、輪にならぬ広がりのもつ、交流なき交流が、いかにも郊外の町らしく感じた。
ホットコーヒーをすすると、冷えた身体に血が通い、少し生き返る。しかし、梅雨入りの東京は、しだいに寒さを増してくる。ミッションを2店舗クリアして、だいぶ疲れている自分に気づき、帰宅することにした。
というわけで横浜線に乗った。
咳はもう出ないようだ。ああ、治った。鞄に付けた「ぜんそくです」のプレートを 外してもいいかな・・・と、その時、両脇に乗客に挟まれたわたしの喉ががむずがゆくなってきた。静かに悶えたが、我慢をすればするほど出るのが咳だ。
・・・なんで 出てほしくない時に咳は出るんだ・・・
困った場面でばかり咳が自己主張をするのだ。
わざとじゃない。
心配してほしいのじゃない。
大したことはない。
だけどご迷惑をかけてごめんなさい。
次の駅で降りた方がいいのかなあとドア際に移動し、ガラスに手をつく。
外に見えるのは郊外の風景。
横浜は土地の起伏の激しい街である。せりあがった小高い山の側面に、ぎっしりと建て並んだ家々の群れが見えた。その整った住宅街の風景は、都内とは違う神奈川らしい風景で、わたしの思春期はこんな街で育ったのだということを思い出した。どこか荒涼とした風景、人の温もりが欠如した住宅街、
次は十日市場です・・・
次は鴨居です・・・
次は新横浜です・・・
そして菊名で下車。
そういえば菊名駅も改良工事を行い、東横線への連絡通路が以前と異なっていた。東横線と新幹線をつなぐ重要な駅なのに、いまいち存在感がうすい菊名駅であるが、そんな菊名駅のオリジナルの扇子の広告が目を引いた。
というか、なんじゃこりゃ。
・・・闘球!
もちろん「東急」とかけているのだと思われる。
また、ここはいわゆる「日産スタジアム」の近くなので、サッカーにもかけているの・・・だと思うが・・・
東急の許可はとったのか?
・・・どことなくおしゃれな「東急(トーキュー)」という音が「闘う球」になり、思考のなかで「闘牛」に変わりつつある菊名駅のコロッセオ・フィールドを、のろのろと歩き、上りホームに降りた。
そこに滑り込んできた東横特急に乗り込む。すいた電車だ。優先席が空いていたので座ってぼんやりしていたら、ヘルプマークをつけた女性が隣にいた。その女性は「わたしは電磁波に弱いのでご理解をお願いします」という旨のマークを鞄に付けていた。そして、優先席でスマホを操作するひとに、どうかそれをやめていただくように依頼をしていた。自分はその時たまたまスマホ操作をしていなかったので、声をかけられることはなかったが、世の中にはいろいろな側面の弱さを持った人がいるものだということに気づかされる。
そして、そういう方は、昼間の電車に多いのかもしれない。
自分が弱っているとき、ひとの弱さにも気づくことができるのだ。
家に帰ったら暖かいお風呂に入ろう。
ー----2日目ー-----
◆御茶ノ水編(既遂)
1日目は薄着で寒かった。その反省もあり、2日目は、縦ストライプのシャツに白いセーターでディスクユニオンに向かうことにした。
そうだ、今日は、お茶の水店に行こう。
我が家から御茶ノ水駅までどのように行くか、けっこう悩みどころだが、東横線で中目黒までゆき、日比谷線に乗り換えて霞が関駅で丸の内線に乗り換え、「新御茶ノ水駅」へ行くことにした。
その日は朝から眠く、昼寝もしたのに、電車でも寝てしまう日だった。乗り込んだ東横線、中目黒駅でのろのろと起きて下車し、ホームの向うにどんより移動し日比谷線に乗り換える。そしてまた目を閉じて、意識がおちる。咳は出ない。
そんなダウナーな気分であったが、久しぶりのお茶の水に、なんとかたどり着いた。
「お茶の水橋」はずっと工事中で、かなり大きな工事を行っている。
歴史と伝統のあるこの駅も、古いものと新しいものが混在している。
橋の上で立ち止まるわたしの後ろ、信号が変わるたびにものすごい勢いの人波が橋を渡ってゆく。橋がまたきしむ。歴史の重みに耐えながら、新しいものを受け入れながら、川は流れて雨を呼び、その時なぜか「あずさ号」が東へ向かって走って行った。
お茶の水は明治大学をはじめ多くの大学のある学生街であり、音楽の街でもある。楽器店が数多く立ち並ぶ。若者が多く行き交い、若いエネルギーにあふれている。駅前はいつも工事中だが、そんな風景さえも、若く途上にあるものの陽のエネルギーを暗示しているようである。
若い街で、ビルの間にふいに見えるニコライ堂の存在感もお茶の水らしい歴史を感じさせる。
しかし、人波に押されながら、わたしがそのとき考えていたことは・・・
ああ、トイレに行きたい。
んん、トイレに行きたい。
が、トイレを借りられるコンビニが周辺に見当たらない。
トイレのあるコンビ二、どこだろう・・・。
・・・結局、駅前の大きな建物、レストランなどが多く入るモールでやっとトイレに入ることができた。とにかく人の多い駅で、女子トイレも混んでいた。
鏡越しに若い女性と目が合う。すぐに目をそらす。若い女性はみな綺麗な顔と髪をしている。それに比べると自分は、だらしのない顔、よじれた白髪をしている。
若者の街のエネルギーに自分がだんだん負けてゆくのを感じつつ、また地上へ出ると、御茶ノ水駅の変貌にも驚かされる。
丸善の向かいに聖橋口の出口が移動しており、それがいちばん驚いたことである。
この新しい聖橋口の改札並びに、赤と黒のディスクユニオンをみつけた。
・・・ああ、ここなのかな・・・?
だが、そこは「ハードロック/ ヘヴィメタル館」だった・・・。
・・・さすがにここではないだろうなあ・・・わたしのCDが置いてある、大きな店舗とは、どこなのだ・・・?
学生街の人波の中で立ち止まる。
そこで初めてスマホで調べたら、なんのことはない、さっきトイレを使った駅前の建物の2階にあった。
外階段をのぼって店内に入り、ドキドキしながら自分のCDを探す・・・
あ、あった。
そこで、レジをちらちら見ながら、手が空いた瞬間の店員さんに、「あの・・・おととい、きのう、リリースの、CDを、置かせていただいている、ま、松岡宮と申します」と、今日は家からちゃんと持ってきた歌詞カードを示す。
すると若く愛らしい女性の店員さんは笑顔になり、慣れた手つきで白いカードとカラーマジックと、そしてその店員さんが胸にさしていたボールペンを貸してくれた。
白いカードに、ドキドキしながら文字をつづる。
面白いことを描いてやろうと思ったりもしたが、やはり1枚目は失敗し、2枚目でなんとか描き上げた。
聖橋からの旅!
そのときに店内で写してくださった写真をツイッターに載せていただいているが、無理やり作った笑顔から疲労が伝わってくる。
店員さんがとても良い文章で紹介してくれた。
むりやり作ったひきつった笑顔で、「アーティスト様、ご来店」。
この写真を撮ってくださった店員さんが若くてかわいい方だったので、「もう、この店員さんでいいじゃないか・・・」などとつまらぬことを思ったものだ。
若者が多い学生街。
音楽のまち御茶ノ水。
学生時代と同じように逡巡しつつ、なんとか、ミッション達成。
◆池袋編(未遂)
夜は神楽坂に用事があったので、方向的に近い池袋店にご挨拶に行こうと思った。
またふたたび丸の内線に乗って、池袋まで向かう。
お茶の水よりさらに人の多い池袋で、人並みに流されるように地上に出た。
すごい人数。すごいざわめき。
一見さわやかなのだけど狂った風がうずまく池袋東口。
強くないとこの町では生きてゆけない。いっしゅんも油断してはならない人ごみに流され外に出れば、ふぅ、やっと息がつける。
地下道から地上へ出た場所にはゲームセンターがあり、誰かが楽しそうに太鼓を奏でている。背の高い並木が都会に夏の彩りを添える。
この大都会で、ディスクユニオンはどこにあるんだろう?
と、ふと周囲を見渡せば、そこはすでに目的の地、ディスクユニオン池袋店の真下だった。
そして、質屋の真下でもあった。
エレベーターで4階にあがり、手を消毒しつつ中に入る。
整った雰囲気の、明るい大きめのフロアで、ここも男性客が多い。
自分のCDは、どこにあるんだろう・・・おっ、斉藤由貴ちゃんの中古CDだ、1300円か、いや、これは持ってるんだが・・・などと思考は脇道にそれつつ、自分のCDを探してみるのだが、インディーズコーナーみたいなものが見当たらない・・・・次の予定も気になる・・・焦る・・・焦る・・・
結局、店内くまなく歩きまわってみたが、自分のCDを見つけることが出来ない。
ダメだ。
今日は・・・ダメだ。
(せーこーとろおー
(せーこーとろおー × 100回
・・・TMNのセルフコントロールがプレイされている軽快な店内には男性客がたくさん居て、CDやレコードを熱烈にDIGしていた、おしゃべりはない、TMNのセルフコントロールのサビが明るく渦巻く、緊張を増す、その、遊びの入る余地のない真剣な店内の雰囲気に気おされ、また時間も足りず、店員さんに声をかけることができないまま、お店を出てしまった。
負けた。
池袋で・・・負けた。
池袋のもつ空気に、圧されたのだ。いや、池袋のせいではない、自分の弱さのせいなのだ。
◆
ちなみに、この日向かった神楽坂「神楽音」のイベントはこちら。
「HEAR to LISTEN」3回シリーズの第1回、とても面白かった。表現としての音というより、社会のなかでの音の意味付けというか、もう少しだけ社会的、技術的、構造的な視点をもたらしてくれる音のレクチャーイベント。
このイベントは7月、8月もあるので、それが終わったら感想などを書こうと思うが、ここをお読みの皆さまにもお勧めします。
◆
帰りの南北線電車で咳発作が一度だけ出た。やっぱり混んだ電車の中だ。
寝るときの咳は収まってきた。吸引薬はちゃんと服用しているが、漢方を飲み忘れることが増えてきた。
治ってきているのだと思う。
心配はいらない。
地下鉄の階段を駆け上がり、空に向かって駆け出すほど、特急ミヤサンは、元気、元気、元気。
ー----3日目ー-----
・・・だから、別にいらないって言ったじゃないか。おせっかいはやめてください。
わたしは飴を舐めないし、トローチを舐める習慣も無い。はちみつもそんなに好きでもない。なんで頼んでも無いのに買ってくるの?え、喉にいいって?
うん・・・でも、困るの。
親切にされるとどうしていいのかわからない。
心配してくれているの?
どうして他人のことなのに、自分のことのように心配に思うの?
あなたが咳出るわけじゃないのに、なんで他人のことをそんなに心配するの?
え、それって、当たり前なの?
わたしは元気いっぱいだから、どうか、心配しないでください。
ばーかばーか。
ばーかばーか。
・・・ふと気づけば、もうほとんど咳は出なくなっていた。
よーし、特急ミヤサン、残りのディスクユニオンへ、出庫!
◆新宿「日本のロック・インディーズ館」編(既遂)
次なる店舗は、ディスクユニオンの本場、新宿である。
ディスクユニオンといえば新宿。
以下のように、新宿だけで5軒もあるらしい・・・。
あまり詳しい場所は調べないまま、なんとなく「あのへん」だろうと思いながら副都心線に乗り込み、「新宿三丁目」で下車した。
「あのへん」。そう、南口から東口にかけてのあたり、大塚家具に出るあたりだ。
「このへん」だろうと、適当に地下道からの階段をあがる。
すると、赤と黒のいつもの店舗が見えてきた。
しかし、これはレコード店のようなので、たぶん違うだろう・・・
・・・というか令和に「レコード店」(!?)なのか・・・そういえばどこの店舗も、LPレコードが数多く売られており、お客さんも多かったように見受けられた。
レコードもすっかり流通が戻ってきたようだ。
この道を進むと、左右にまたディスクユニオンが見えてきた。
・・・困った、どっちにもディスクユニオンがあるぞ。
お前のCDを置いているのは
左のディスクユニオンか?
右のディスクユニオンか?
・・・右の、こちらの店舗に行ってみよう。
で、こちらの店舗で、正解だった。
ここが「日本のロック・インディーズ」だったのだ。
思ったよりも小ぶりな店内だが、CDばかりでなくレコードも売っていた。それを探すお客さんはやはり男性ばかりであったが、その数は多く、みな真剣なまなざしで音源をDIGっているのが見える。
ざっくざっく。
ディッグ・ディッグ。
すれちがうのもやっとの店内をこわごわ見渡す・・・
「あ、あそこが光っている」・・・
と、ひらめきがあった・・・
あの、レジの前の売り場にわたしのCDがある。たぶん。
何件か回るうちに、自分のCDがありそうなコーナーの気配が、なんとなく、わかってきたのだ。
狭い通路をカニ歩きしながら、気配を消してレジの前を通りすぎ、「ま」行をちらりと見る・・・
あ、あった。
そして、レジにお客さんがいないのを確かめ、店員さんに声をかけた。
「あ、あ、あの、この、これ、(と自分の売り物のCDを持ち上げる)この、松岡です。」
店員さんは最初、不思議な顔をされたが、すぐに理解していただき、奥からポップ用の白い紙と、カラーマーカーをくださった
ディディディ。
ディディディ。
ブルーやグリーンで「ディ」「ディ」と書いてみたが、その色合いは文字を読むには淡く思われ、文字は別の入れ物に入っていた黒マジックで描くことにした。
新宿のポップ用にいろいろくだらない冗談を考えていたものの、そういえば「大江戸線」の曲も収録されていることに気づき、あまりひねりのない以下のような文面となった。
お店の方のツイートは、こちら。
・・・「かわいい素敵なPOP」と描いていただき恐縮するが・・・しかし、だんだん顔の相が悪くなっている・・・疲れが隠しきれていない・・・。
「ありがとうございますありがとうございます」と頭を下げながら、狭い店内をまたカニのように横歩きして外に出た。すれ違うお客様たちと譲り合いながら階段を上がり、感謝と、緊張と、達成感で、まさに茹であがったカニのような気持ちだ。
・・・ミッション達成!
疲れた。少しカフェで休もう。
できれば電源のあるカフェが良い。
しかし、どこも混んでいる。
新宿は人が多くて賑やかだ。誰もが誰かと連れ立って思い出を作っているように見えた。
こんな週末、わたしは一人で何をしているのだろう・・・悩むひまもないほど忙しく、不自由のない日々だが、こんな生活でいいのだろうか・・・
そういえば咳も出なくなったな・・・ぜんそくバッジも、付けることは無くなったな・・・。
健康って、幸せなことだな。
彼が学んだのは怒りへの対処法だけではなかった。私が訪問したある日、彼は自分がとても悲しいことに気づき、そのことに対処するために、クラス全員の前で、スパロウに抱きしめてほしいと頼んだ。モーリー小学校の4年生にとって、男子も女子も感情的になったり慰めを求めたりすることは恥ずかしいことではないのだ。
(エマ=ブラウン著 山岡訳 「男子という闇~少年をいかに性暴力から守るか」p331)
ドムドム ドムドム・・・新宿の街に4つ打ちキックの重低音が鳴り響く。爆音で近づく広告トラックの絵姿が現実感なく押し寄せる。側面に描かれたホストの綺麗な顔たち。みな、健康で幸せな老後を迎えてほしいと思うし、街を歩くみなの願いがかないますようにと祈る。
そして、いま、わたしの願いは・・・
降らないで、雨!
どよん。ビル群を包み込む、重たい雲。
早くカフェを見つけなくては・・・。
降らないで、雨。
・・・などと思って歩いているうちに、やはり、いつもの、西口へ来てしまった。
ぽつ。ぽつ。ぽつ。
とうとう降り始めた雨に慌て、梅雨よりも速く歩道橋を駆け上がり、いつものエクセルシオール・カフェに駆け込んだ。
低糖質のチーズケーキとアイスコーヒーをいただき、電源席でWiFiを充電する。
冷えたアイスコーヒーを少しずつ含み、甘みが控えめなチーズケーキを口にはさみ、それらを少しずつ消化して元気が出てきたところで、残務も気になり帰宅することにした。
ほんと、元気になったな、自分。
元気、元気!
息を吸って、息を吐いて、無数の隘路、肺胞に元気がしみわたる・・・。
無数の隘路。それは地下道。
この写真は、夜のビル地下。西新宿駅に向かう道、少し駅からは離れてゆく方向。ビルに勤務しているらしい男性とすれ違う。心で「お疲れさま」と告げる。新宿は地下道が多すぎてもはや把握できないくらいだが、たいがいの場所から駅まで地下道で行けるので、雨の日は助かる。
そして乗り込んだ丸ノ内線。乗り換えた副都心線。いずれも夜間の通勤時間帯。かなりの混雑であるが、その混雑すらも自分のムードに合ったノイズミュージックのように楽しむ自分がいる。込み合った電車で込み合った時間に移動するのは、健康そうな人が多くみえる。地下鉄のドア際に立てば、咳がおさまり健康になった自分がガラスに映る。いくぶん老けて疲れた顔だが、元気、元気、元気、と呟く。電車内にいる人全員がスマホをのぞき込んで、ひとり笑っている人もいる。
通勤帰りの働き盛りのラッシュ、活力ある空気に満ち溢れ、自分のなかで、弱いひとの存在はもう想定の外になっていた。
頑張ったぞ自分、と、自分の行動が奏効したとき、いい気になって、路肩に静かに咲いている花のことを見落とすのだった。
鏡に映る自分。
頑張っている自分。
自分で自分をほめるとき、誰かを踏みつけ傷つけることに、気づかない。
愚かな自分は、すぐに、強くなってしまう。
だからわたしは失敗したほうがよい。あるいは、咳に苦しんでいた方が良い。そのほうが、ずっと世のためであることに、気づく。
だけど、治ってしまったから・・・。
喘息さん、また会いましょうね。
そんなわけで、4店舗にポップを書くことができた。
残りは、
まだ行っていない「渋谷店」、
行ったけれど自分のCDを見つけられなかった「池袋店」と「下北沢店」、
そして「名古屋店」・・・
はたして、残りの店舗も、行けるのだろうか?
後編に続く。(続かないかも・・・)
◆追伸
松岡の音源はネットでも買えます。
ディスクユニオン通販ページはこちらです。
ミヤサンBASEはこちらです。
ぜひご覧くださいませ。
こんな長い記事をここまで読んでくださってありがとうございました。
記事はこれで終わりです。以下は投げ銭です。