駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

「電車とバスの博物館」のワークプレイス良すぎ

denbus.jp

東急 田園都市線の宮崎台という、各停しか停まらぬ駅にある

電車とバスの博物館」(通称「電バス」)で

リモートワーク向けに席を解放してくれている!

(東急の言葉によれば「個人向けシェアオフィス」)

というニュースを聞いて・・・

 

そうでなくとも鉄道に飢えている この身この心・・・

 

ああ・・・ああ・・・

 

もうたまらず 朝っぱらから 行ってしまった・・・

 

そして・・・乗り越した。

 

・・・おい この駅は 「宮前平」だ。

 

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興奮しすぎて一駅乗り越してしまったようです。

 

それにしてもホームのドアと電車の間の間隔が長いですね。

・・・ホームドアを乗り越えて飛び込もうとする人を、羽の生えた身軽駅員がコンマ1秒で救い出そうとするための、そんな、距離、でしょうか・・・

・・・デントは、混雑するときは死にたさがひどいというから・・・いやいやそれは偏見だ、すみませんすみません。

 

乗り越してしまったのは・・・田園都市線、いわゆるデントに慣れていなくて・・・鉄道で移動することって、いわゆる認知地図というか、身体にしみ込んだ行動イメージがあらかじめ思考の底で浮遊しており、それに沿って行動しているように思います。

行く先が決まれば体が自然と動いてゆくのです。

しかし、しばらく乗っていない路線だと、その「予測」の部分が損なわれているように思います。

 

<宮崎台ってどこだっけ?>と思う自分は、「カン」が戻ってないなあと思いました。

 

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やっと到着です。

 

東急沿線らしい、ちょっとおしゃれな住宅地のある駅です。

 

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のるるんがいっぱい、くるくる廻る「電バス」の看板がお出迎えしてくれます。

確か、駅直結なのですよね・・・と そんな知識が失敗のもとだったと

後で気づくことになります。

 

改札を出てすぐ向かいの「電バス」入口。

 

わーーーでんしゃっしゃーーーわーーーーえきいんさん!!!

 

内心ハイテンションで改札のある白い道をくぐり、子供たちの後ろに並んで

にこやかなおじさまにスマホのSuupを見せたところ・・・

 

「こっちじゃないんですよ~。はっはっは」

 

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そう、ワークプレイスは駅直結の本館ではなく、ちょっと道路の坂を降りてゆく別館にあるのでした。

 

「こっちじゃないんですよー。案内しますね。でも皆さんよく間違えますよ、はっはっは」

とにこやかで素敵なおじさまがご案内してくれました。

 

「そこの道路を左に下って、つきあたりにあります。」

 

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短い距離ですが、宮崎台の坂道を下ります(写真では上る方向に撮っていますが行きは下ります)

 

9月1日。秋の初めの日。

雨がぽつぽつと降り、昨日とはうって変わって寒い日でした。

並木の落ち葉が、早くも秋を思わせます。

人通りがそれなりにありましたが、旅人ではなく住民という感じで、

こんなところにわざわざ来る大田区民はわたしだけじゃないかと不安になる・・・。

だけど秋って悪くない季節で

人々が夏とは違う気がする

何かいそいそとイベントに向けて楽しそうにみえる

コロナ禍を感じさせない宮崎台の駅前ショッピングモール

 

落ち葉の坂を降りて、信号を渡ったら到着です。

 

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着いたあ!

 

あらかじめSuupというアプリをインストールしてクレジットカードを

登録しておく必要があります。

画面はこんな感じになります。

 

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最大でも1000円って安くないですか。

ありがたい・・・。

 

入り方は簡単で、開きっぱなしの改札にQRコードがあるのでSuupアプリで読み取ればチェックイン完了。

 

たとえば自販機利用や昼食の買い出しなど、出入りも自由でした。(行きませんでしたが・・・)

 

全席、Wifiと電源があります。もちろんトイレもあります。自販機もあります。

巨大な「のるるん」もいました。

 

中は・・・ほとんど誰もいません。

シミュレーターもあるようでした、やっている人はいませんでしたが・・・。

最初に座った区画は、靴を脱いで使うキャンプ場みたいなプレイス。

 

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飲食やウェブ会議(声だし?)が、区画によって可能だったり不可だったりしますが

ここでは飲食NG、ウェブ会議はOKの区画のようです。

 

広々とした気持ちの良い空間で、仕事がはかどりました。

 

その後、無人のモハ510を見つけてしまい、うっかり移動してしまいました・・・。

 

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ああああああ、素敵な空間・・・。

 

誰もいないけれど鉄道員がそこにいる

(さすがはミヤサン ばれちゃいましたか?)

音が無いけれどシューっという音がする

止まっているはずの車体がゆさゆさと動き出す

わたしの身体が発車をつかまえる

たたん たたん

白い手袋をした幻の運転士がわたしをつれてゆくよ

何処に?

蒲田に?

連れて行ってよ目黒蒲田鉄道・・・時間のレールを後戻りして懐かしい人々に逢いにゆく旅を・・・車掌・・・駅員・・・秋色の制服で・・・導いてください・・・

 

令和3年9月。

ふっと我に返れば

ひとりぼっちのモハ510です。

 

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運転席のとなりに陣取って仕事しておりました。

画像のタブレットはSpacedeskでディスプレイを拡張するのに使っています。

こちらでもけっこう集中できました。

やらねばと思ってやれなかったことを、やっと行うことが出来ました。

 

お昼はパンを持って行ったので飲食可能なブースでいただきました。

 

ただ、この車体内は冷房がきいていてけっこう寒く、寒がりのわたしにはつらかったです・・・いきなり寒くなったのにシャツ1枚だった自分がいけないのですが。

 

自販機にホットドリンクは無いかと見ましたが、アイスドリンクしかなかったので断念・・・

ああ、寒い・・・寒い・・・。

 

もとのキャンプっぽい場所に戻ればよかったのですが、この車両内の居心地というか、この場から離れるのが、もったいなくて・・・。

 

コロナ禍でなければ、ここで仕事をさせてもらえることもなかったでしょう。

ありがたい機会、ありがたい時間です。

 

子どもたちが新学期の9月1日、静かな電バス。

この場所で仕事をさせてもらえる喜びと興奮に満ちていました。

 

仕事って環境によってやる気が出たりしますよね。

 

思ったのは、仕事場に行くのがストレスである方も、こんな場所なら少しは仕事ができる・・・そんな方もいるかも・・・いや、それは楽観的すぎるか・・・松岡じゃないんだから・・・。

 

それだけに、お客さんが少ないというのはもったいないことで、テレワークがまだそれほど定着していないことを感じました。このオフィスならば、きっと、良い仕事が出来そうなのに。

 

ふと、郵政省に勤めている友人を思い出す・・・いまはゆうちょだったかな。

国家公務員でテレワークしている方もいるのだろうか?

連絡をとってみたくなった。

 

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やっぱり考えてしまう・・・

学校に行くのがつらくても、こんな場所で通信講座を受けることで教育が保証できる子供もいるかもしれない・・・。

 

そんなことを考えてしまうくらい、なんだか心がウキウキする場所で、

みえない駅員に囲まれてテンションが上がりっぱなしでした・・・。

駅員が何人も歩き回っているのを感じるのです・・・。

風景が流れてゆく・・・

空行く雲のグレイの模様が風に変化してゆく・・・

駅員とはわたしの中にある勤勉性やパンクチュアリティやまじめさ、直線的な身体、強さ、そんな理想の具現化、わたしの精神を形成する、太い針金だったのだ。

 

だから、ここで働くのが、とても、良いのです。

 

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モハ510のなかで仕事をしていると、遠くに旅に出たみたい・・・

ホンモノの田園都市線でも 終点は中央林間までの旅なのにね・・・

この止まった電車の中に居ると はるかな時の旅に出てしまうのです・・・

終着駅は、まだ無い駅。

 

だけどなぜこんな働き方が可能になったかといえば、つらく不測の事態のせいであり・・・忘れそうだけど東京は非常事態で辛いさなかにあるのだった・・・ああ、いろんなお店が、安全を重視し、集客に苦労をするなかで、こういうサービスが非常事態の臨時のものとしてあるのだということを、楽しさのあまり、忘れてしまう、特別な事態の、特別な使い方が、楽しくなってしまう・・・。

 

だけど、それでもいいのですよ、楽しんでください、と、このワークプレイスは言ってくれているようです。

ほんとうによい時間でした。

 

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「宮崎台」はわが駅からそれほど便利でもありませんが、東急だけの移動なので、交通費はそれほどかかりませんでした。

通勤は大変だと思う一方で

やっぱり「仕事に出かける」のは 良い面もあるなあと思いました。

 

何でしょうね・・・移動ってそれだけで何か良い効果がありそうです。

 

ありがとう東急。

ありがとう「電バス」。

 

本当は誰にも教えたくないワークプレイスですが、やっぱり誰かに教えたくなる素敵な仕事場所。

また近いうちにお邪魔したいと思います。

 

 

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秋からも、どうぞよろしくお願いいたします。