22時の商店街は冷え切って
絞られた満月の淡い雫が虹を描く
開いているお店はコンビニ・まいばす・それからコインランドリー
緊急事態宣言の夜の街を
大きな袋に上着に下着にズボンにシャツにセーターに靴下にマスクに手袋に
タオルもつめこんで
洗濯をしにゆく
そんな 自分の体が
上着に下着にズボンにシャツに
セーターに靴下にマスクに手袋
していることも ただ もどかしく
・・・いつかこれらも洗濯物になるのだろう・・・
・・・なぜ 着てしまうんだろう・・・服を・・・なぜ・・・
いつもそのガード下には路上生活している女性が寝そべっていた
たくさんの布類を身にまとい
くちを縛った袋をたくさん身の回りに並べて
座っているか 横になっているか・・・
ああ 今日も いらっしゃいましたか・・・
またお天気は崩れるそうだから心配です
衣類はたくさんあるとよい
たくさんたくさんあるとよい
いまは2度目の緊急事態宣言中です
22時なのに静かです
途端に早寝するようになった暗い商店街に
月の虹の輪だけが ひっそり降りたって 翌朝の霜となる
明日も冷えそうです
フリマといえばお洋服!
最初にフリマに出たのは 同じ頃に逝った母と義母の服を処分するためだった
フリマはたいてい商品がフレッシュな最初の機会には売れるもので
馬車道駅構内の ふつうのフリマ
けっこう売れたので気をよくした
(服っていったいなんなんだろう)
それから子供服をくれる人が現れたり
それから婦人服をくれる人が現れたり
「売るなり着るなり使うなりしてください」
いろいろな人がお洋服を預けてくれた
お洋服の寿命はどのくらいだろう
まさか100歳 いや70歳は生きられないだろう
だけど10年 20年は生きてゆけるものもある
服の世界の生存競争
身長が伸びず体型が極端に変わらなかったわたしの服たち
大学生のころ普通の社会人になろうかと血迷った時期のスカートや
おそい思春期の反抗に彩られたスキー用のインナーなども残っている
キャンキャン!
服はお人形にも似て誰かの夢が仮託される
なりたい自分
めざすべき自分
キャンキャン! 雑誌の冒頭を飾るパープルのコートが欲しくて親におねだりをした
とても高かったけど買ってくれたそのコートのボタンは
ハートの形をしていた
こんな服を着てもいいの?
着てみると・・・ああ、わたしじゃないみたいね・・・
満月が微笑む
だけど 今の自分は どうだろう
二度目の緊急事態宣言中
誰にも会わず どこにも出かけず
すっかりだらしなくなってしまった 身だしなみ
そして たまってしまった洗濯物
トロトロと輪郭を失って埃だらけになった自分の体が
上着に下着にズボンにシャツにセーターに靴下にマスクに手袋をつけて
夜の街に出かける
よどんだ心の
くすんだ肌の
洗濯を しに・・・
・・・あああああすべてを洗ってくれ!!
服ではない!!
この全裸を!!
すべて すべて すべてを脱ぎ捨てて
真冬の街で 全裸になった!!
この全裸を!
300円で7キログラムの洗濯槽
洗い終わった洗濯物が洗濯機にまるく張り付いている
それをはがして持ってきた袋に入れる
この作業は意外と腕力が必要とされる
マスク 手袋 下着・・・小さなものは忘れがちなので注意が必要だ
洗濯機の中の洗濯槽を軽くまわして 忘れ物が無いか確かめた
そして
やけに明るいコインランドリーを出ると
22時半の街はすでに暗く打ち沈んでおり
・・・今日もいちにち 何もしなかったな・・・
(でも 感染しなかったし 感染させなかったよ・・・たぶん)
(そうだね 月も綺麗だ)
ほんの少し洗われたまなざしが夜の街を見つめている
ガード下にあのひとのかたまりがみえる
重たい洗濯ものをかつぎながら 氷点下の街を
また自宅へ
そんなわけで在宅ワークに追われております・・・
わたしは個人事業主であちこちから委託されたお仕事をやってますが、なんとなく気持ちも緩んでしまいますね。
少しDTMも再開しています。ピアノの練習をしたり、音楽はたのしい。
auスマートパスプレミアム1か月無料なのであれこれマンガ読んだり・・・いまドラマでやってる「その女、ジルバ」が本当に良い漫画でウルウルしてました・・・だめだ、退会できる気がしない・・・。
でもマンガ読むと元気になっちゃいますね。
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通販、はじめました~。よかったらみにきてね。
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