(この記事はフィクションです)
小田急車掌Aは猫が嫌いだった
あの なんでも見通すような 美しく光る目が いやなんだ・・・
車掌Aの生理的な拒否感は強く
キジトラだろうと クロだろうと 子猫だろうと 老描だろうと
目の前に出れば腰のピストルを瞬時に取り出し撃ち抜くほどに
猫が 嫌いだった
小田急車掌Aはまた 生きていない猫の絵なども嫌いだった
ホワッツマイケル に うちのタマ
みんな みんな 花火玉に詰めて打ち上げてしまうくらい
猫なるもの、を、憎んでいた
問題は あの駅である・・・
そう・・・猫の表象に溢れるあの街・・・
架空の猫の一家が住んでいるという、あの、街・・・
タマ市・・・
しかたがないので小田急車掌Aはライフルを携行し
猫を見つけると撃つ準備をしていた
とくに 冬
クリスマスシーズンになると出てくるあの巨大な猫
あのゆらゆらした姿だけは許せない
パン!
車掌はライフルを握りしめ
プラットホームのガラス越しに見える あの巨大猫を
撃ち抜いた・・・
だが そんな射撃が行われたことには 誰も 気づかなかった
やがて
車掌Aのタマが命中したせいかどうかは知らないが
その巨大猫はいつの間にかいなくなってしまった
車掌Aは呟いた
ふぅ・・・せいせいした・・・
あの巨大な、膨らんだ猫さえいなければ、まあ、許そう・・・・
そう呟いて
もう ライフルを携行しなくなった車掌Aを取り囲む
猫ちゃん
猫ちゃん
猫ちゃんたちの 群れ
車掌Aが猫好きに変わるまで
あと
5分以内・・・
おわり。
♪