駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

太い線の駅員

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地下鉄駅員の線は太い

フェルトペンで あるいは太筆で描かれたような輪郭を持っている

ある雨の日に

線の太い駅員は濡れて

にじみだし 広がって 

空間に溶けてしまった

駅員がいた空間のなごりに警備員が広がって

それはそれで素敵なのだけど

 

あの頃 いつの頃

輪郭線が細くても確かにそこにいた駅員というものが

もう あんまり 足りないのかなとも

思う・・・

 

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駅のホームに空き缶がころころ転がって

誰にも拾われずさまようときに

すっと それを 拾ってくれた

白い手袋

名づけにくい必要な労働

小さなすきまを埋める労働

線は細いけれど 

あれが駅員なんだという確かなイメージ

もうそれがないのかもしれない

もうそれが居る時代じゃないのだと・・・

わたしたちの目はそんなふうに判断する

 

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駅員が駅員としてそこに居てくれたら

わたしの気持ちはもう少し

生き延びられたかもしれない

ある 台風到来の雨の日に

太い線で描かれた駅員は溶け出す

はりこの駅員の皮は溶け出す

そして骨組みだけが残って

そこに容赦なく雨が降り注ぐ

紺色が空間に滲み出す

目を閉じたら消えてしまいそう

駅員、それはそれは楽しい日々でした・・・

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