駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

そしてさらば小田急下北沢駅



東横渋谷駅ほど 騒がれていませんでしたが
下北沢駅も地下化されるので 今日で最後となります。

若者の街、おしゃれな街、下北沢。
20歳前後の思い出が ぎっしりと詰まった駅。

わたしもふらり 立ち寄ってみました。
撮り鉄も ほどほどに居ましたがそんなに多くなく・・・
渋谷ほどの阿鼻叫喚ではなかった・・・。

下北沢には 若い頃の思い出が たくさん あります。
10代の頃は 小田急の山奥に住んでおり
そこから 代ゼミに通った時に 通っていたのが 下北沢。
よく途中下車して ドラマで中古CDを あさったものでした。

下北沢で降りたときに 知らない人に 「スカートのチャックあいてますよ」って言われたこともあったなあ・・・。

そして大学も下北沢乗り換え。
小田急の山奥(←しつこい)から 下北沢までの 長い・・そして 遅すぎる 徐行する・・・途中で止まる・・・急行。

その頃はまだ 気づかなかったのかしら、灯台のよう、光り輝く駅員に。

いちど 徐行する急行電車で腹痛を起こし 地獄のような思いをした。
その時のことは 第2ブログの記事「大学いっかにぶんのいち年生」にも書いた。
http://d.hatena.ne.jp/miya_ma/20121029

それから と いうものの・・・
下北沢といえば 確認の駅になった。
スカートのチャックは良いか?
G痢は確実に来ないといえるか?
尿意も大丈夫か?
嘔吐も大丈夫か?
急行に乗れる体調か?
急行に乗れる精神状態か?
生えてはいけないところに毛は生えていないか?
自分が持っている異様な考えを人に知られてはいないか?
太い脚は隠せているか?
空間から浮いてはいないか?
生理だって気づかれてはいないか?
ちゃんと集団に合致した外見をしているか?
誰かの目がわたしを見てはいないか?
わたしのことを好きと言ったよく知らない男子がついてきてないか?
ああ、ひとがみてる
・・・ひとがみてる・・・
OKだったりNGだったり わたしを厳しく評価しながら
ひとが わたしを みてるわ・・・
・・・20歳前後のこころが焼きついた街だから
・・・20歳前後のようなことが
とても とても 気になってしまう 駅なのね・・・。

そんな感じなので 小田急下北沢駅は どちらかといえば 苦しいイメージのある駅でした。
ああ、毎日がやっとやっと ついたね・・・って、駅。
駅自体も ホームが狭くて 工事中で ホームにカフェなどとても無く・・・
だからこそ 目覚めた・・・・

駅員に目覚めた・・・



ようこそミヤさん 下北沢へ・・・。
大きな腕を広げてわたしを受け入れてくれたのは下北沢の駅員さんでした。

いつも工事中で整ってない駅
階段が多くて ごちゃごちゃした汚い駅
薄暗くて ほこりっぽい駅
乗客が無秩序な色彩を放つ駅
だからこそ 駅員の端正さが 際立つのだ
・・・駅員は お客さんを いのちをかけて 守ります・・・
静かな色彩をたたえた駅員が
ひそやかに台に乗り
すべての乗客を見る
モニターじゃない
カメラじゃない
目視、その透き通る瞳で、見通す。
そして 危ない乗客があれば
目線だけで
黄色い線の内側に 寄せることだって 出来る・・・

しばらくぶりに行った下北沢は
あの頃と同じカオスな世界
なんだか ごちゃごちゃした駅舎 変わってなかった
だけど 今日で 最後

あの頃 小田急線から苦しく吐き出されたわたしを
しっかりと受け止めてくれたり
黄色い線からはみ出さないように守ってくれたり
G痢がなんとか出ないように押さえてくれたのは
端正な身体をしなやかに捻じる
美しい下北沢の駅員さんでした
成績不良で留年するかもしれないときに
卒業だけはさせてくれたり
恋愛の入り口に戸惑うわたしのせなかを
発車間際に押してくれたり
珍しい中古CDが見つかったときの喜びを一緒にわかちあってくれたり
生理の経血は見ないふりをして
がんばれ まっちゃん
がんばれ まっちゃん
その美しい背中をスックと立てて赤い旗を振ってくれたのは下北沢の駅員さんでした

20年を ふりかえれば
下北沢といえば駅員の放つ強い光
灯台のように導いてくれた
わたしを 生かしてくれた

つらい駅舎だった
だけど これからは 地下の 綺麗な駅舎で
新しい歴史を 作ってゆきましょう。
若くないものには いとおしい街、下北沢。
どうぞ これからも よろしくね。


警備員さんもお疲れ様です。