駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

白髪ひとつで病んでゆく

白髪ひとつで壊れてゆく

わたしが わたしの思うまま ただ 普通に歩くだけで 扉が壊れ 廊下がきしみ 家が壊れてしまう

白髪を そのまま 生やしている という ただ それだけのことで・・・

・・・ゆうべ 夫が いった

・・・この世で 白髪を 抱ける おちんちんなど ない・・・

・・・白髪とは 老化の象徴であり 何歳とか 関係なく 白髪のひとは 老人である・・・

・・・君の白髪が めだってから 君は 僕にとって 教授となったんだ・・・

・・・貫録のある君は そうさ・・・もともと君は教授で 僕の上司 僕は一兵卒なのさ・・・・

・・・

などと

つぶやく

抱けるあいだは若い女あつかい

して

抱けなくなったら教授あつかい

して・・・

・・・教 授 か・・・・

「・・・どっかのボーイズラブみたいな設定だナア・・・」と思いつつ

ねじれの位置を取りながら進行するふぁんたじー達の夜は更け

しんしん という音はしなかった けど

めずらしく東京に雪の降った 朝

車の音も静かに通り過ぎ

シャウエッセンは冷え切っている

白髪ひとつで萎えさせる

白髪ひとつで病んでゆく

わたしにとっては意味のない指標が もしかしたらほかの人にとっての大きな指標だったのかしら

白髪を染めないという ただそれだけの理由で 精神構造がおかしいと判断されることもあるのかしら

白髪を染めないという ただそれだけの理由で セルフエスティームが低いとか セルフエフィカシーが低いとか 白髪染めるスキルを教えてあげなくては とか 白髪を染めるとこんなにいいことがあって楽しいよと教えてあげたいんです とか 言われてしまうのかしら

白髪ひとつで病んでゆく

白髪を染めないという ただそれだけの理由で どっか壊れた人だと 病を持っていると判断されてしまうこともあるのかしら

白髪を染めないという ただそれだけの理由で おくすりが必要だとか 直さなくちゃいけないと 判断されてしまうこともあるのかしら

・・・ぼたん雪 なかなか 止まないね・・・

・・・丹沢のあたりも白く積もっているね・・・

白髪を染めたらこんなにいいことがあるから って A4で4ページにわたるリーフレットをもらってしまうのかしら

・・・まだまだ もったいない あなたには 可能性があるから・・・なんて言われてしまうのかしら

夫の泌尿器科の医者にも 奥さん あなたが協力してあげないから・・・と責められてしまうのかしら

・・・手をつないで踊ろう、シャウエッセン

そしていつか わたしがもしも 白髪を染めたら

ああっ マツオカさん 10歳若返ったよ あのときは 言えなかったけど ひどかったよね とか

マ ツ オ カ さんは 髪を染め始めた! イコール! 社会適応が改善したッ! 治療介入のおかげでッ!

・・・なんて 小池一夫ふうに カルテに書かれて しまうのかしら

たかが たかが 白髪 と 思っていた

わたしが ちょっと あまかった

白髪ひとつで判られる

白髪ひとつで朝ごはん

夫がわたしを抱きたいと思う日は もう来ないのかしら

問題なのは シャウエッセン 

さあ どうやって いただきましょう?

まな板の上で とんとん と タコさんに切って ゴマ油でいためて

じゅうじゅうと 脚がひらいたシャウエッセン

それは それは おいしく いただきました

ぷはー、

うむ。

白髪ひとつで病んでゆく

白髪という たったひとつの 自然現象が たったひとつを 超えて 0を乗じる 演算となる

わたしはこれが 好きだから と それをずっと貫くことは・・・ 

必ず 誰かを

傷つけること

痛めつけること

黙らせること

静かにさせること

萎えさえること

よそ見させること

気絶させること

そして

失うこと

永遠に失い続けること

なのだ

関東平野の雪はまだ止まないと ラジオがそんなことを言った