駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

剃毛後夜

風がいちだんと激しく身体の梯子を吹き抜けてゆく

ハムストリングスの奏でるオーケストラ

身に降りかかる全ての雨を

引き受けません

と呟くビニール袋

やぶれる

もう いらんのです

いらん いらん いらんのです

石鹸を用いて泡立てたのちに丁寧にそり落とす

ああ、いらないね こんなもの

そうして強めのシャワーで流し去る

水の音符が下へと走る

水の音符が裏へと走る

身体を走る水のとおりみちが変わる、

水はただ走り落ちてゆく 流されるまま、

身体を走る水のとおりみちが変わる、寄り道しないでまっすぐ中心向かって流れて真ん中あたりで裏にはゆかず、パタラと落ちる、水の軌跡が、

ハムストリングスの音楽がフェルマータする、ダルセーニョする、

坊主にされて恥ずかしそうなキウイが転がる、

しかしその日から

棘は開始される

ばかなにんげんです、

いたいにんげんです、

世界中はタワシでいっぱいなんです

放置したサボテンがそれでも花を咲かせ

ほつれたぬいぐるみの毛が伸びるのが見える、

かなしいねえ

どうして止められないんだろう

かなしいねえ

どうして黙れないんだろう

風がいちだんと激しく身体の梯子を吹き抜けてゆく

もうこれで誰にも抱かれないですむ

妻は安全ではないのです

剃毛後夜のとげを湛えた

危険生物でもあるのです


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