駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

Poetry Gardenで朗読してもらいました

そんなわけで・・・原宿で雨に降られ、あわてて家に帰ってきました・・・なぜか東急の駅員ばかりを見たのは、副都心線を利用したせいでしょう・・・・半袖・はんそで・半袖の、日焼けした、腕。東急駅員に宿る夏は、どしゃぶりでも拭い去れない熱さのようです。メトロなのに東急。副都心線はすばらしい。

原宿は好きすぎて、原宿に来ると、いつでも浪人生の頃に戻ります・・・人生がきらきらと輝いて手招きをしていたころに戻ります。ほんとうは、未来なんてなくて、今が続いてゆくだけだったのに。あの頃のがんばっていた自分に声をかけてあげたいですが、今の自分にも声をかけてほしいものです・・・。

さて、PoetryGardenという詩の朗読のポッドキャストで、詩人の奥主榮(おくぬし・えい)さんが、わたしの詩を朗読してくれました。

Poetry Garden

http://poetrygarden.seesaa.net/article/162256861.html

朗読してくださった2編は、現代詩フォーラムにある詩なのですが

http://po-m.com/forum/myframe.php?hid=1559

いちおう、詩のほうをこの記事の最後に、はりつけておきます。

現代詩の朗読を、音源として蓄積してゆく、面白い試みなのですね。よくみると、去年イベントに出演してくださった北村守道さんもいらっしゃいますね~。奥主さんのトークも面白いですので、ぜひ聴いてみてください♪

勝手に宣伝。奥主さんの詩集です→「日本はいま戦争をしている(現代詩の新鋭)」

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これから育つ子どもたちへのメッセージ

 亡くなった義理の父が自費出版した本のなかに

  「孫に伝えたいこと -お爺ちゃんの人生」

 という本があった

 君たちは 若い芽だ

 柔軟で

 未熟で

 素直で 

 可愛い・・・・

 ああ、俺はお前たちを愛しているよ

 すべてはお前たちのためだ

 俺は老眼をこすりながらこの本を書いた

 すべては

 お前たちを育ててやらなくてはならない

 その使命のために

 そう それは

 21世紀の子どもたちへのメッセージ

 それが お爺ちゃんの人生だよ

 そうだ そうやって耳を傾けてくれ

 そうだ

 それは育っちゃったら ダメなんだ

 育ってないひとじゃないとダメなんだ

 何かを 伝えるべき相手は

 育ってないひとじゃないと ダメなんだ

 

 俺の人生は苦労の連続

 食料のない陸軍生活 

 寒さに凍えたシベリア抑留 

 頭を下げまくった高度経済成長

 そうだ

 それは育っちゃったら ダメなんだ

 育ってないひとじゃないとダメなんだ

 大きな網をかけて探せ

 路上で探せ

 幼稚園で探せ

 小学校で探せ

 まだ育っていないひとを 

 探せ!

   

 育ってない子は おらんかえ!!

 ああ、けっして風化させてはならないんだ

 これは日本の未来のためなんだ

  

 さて

 わたしはまた 歩いている

 第二京浜国道で たくさんの自動車に追い抜かれながら

 恒例の夕方のお散歩

 排気ガスで脊髄を満たしながら

 廃止されたバス停のベンチに腰掛けて

 お昼寝

 やあ、ずいぶん西まで来てしまったものだ

 ああ、すっかりとひとりになったもんだ

 誰かがわたしを育てようとしたり

 誰かがわたしに親切にも何かを教えようとしたり

 そんな暴力は

 すいぶん なくなったものだ

 な

車掌ひとりが濡れている

金属製の車体から飛び出している、たったひとつの柔らかき、もの

銀色の京浜東北線から、

首、車掌の、そして、頭、

それは、たったひとつの柔らかき、もの

いま、ひそやかに扉を閉じ、進行方向を指差した、指、白く、

それは、たったひとつの柔らかき、もの

車掌ひとりが濡れている

帽子にかけたビニールから

頬骨をつたう

くちびるをつたう

喉仏をつたう

秋雨

乗客は誰も濡れていない

車掌ひとりが濡れている

グレイの制服の肩口の、右側だけが、たれ、たれ、たれ、濡れてゆく、

濡れてそのまま滑り出す、車掌、

・・・・俺だけは 俺ひとりは 走行しながら濡れていい・・・・・

歓喜を隠した上半身

空を見上げた彼の鼻先

またひとつ、雨の指先、触れてゆく

金属製の車体から飛び出している、たったひとつの柔らかき、もの

いま

車掌ひとりが濡れている

車掌ひとりが濡れている