駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

チャックの開いた片思い

・・・だから 安物のスカートなんて 買うんじゃなかった・・・

などと後悔しながら 長いコートの前を おさえる・・・

ああ、自動改札に 人体スキャン機能が なくて よかった・・・

わたしは チャックの壊れた 女です 

カートのチャックが壊れた 女です

わたしの体にはいま ぽっかりと穴が開いていて

ドルルヴェールドドドドドド・・・・

ベージュの中身が

だ だ

だ だ

だ だ 漏 れ 

なのです・・・

いつもの駅で

紺色の車掌のそばを通り過ぎ

駅員がにらみを効かせる自動改札を鮮やかに抜けて

みるけれど

わたしは

チャックの壊れた 女です

見えますか

いや、見つけないでください・・・

スカートのチャックが壊れた 女です

虹色音符のブラックノイズ

放送禁止のラップ音が

シャカシャカ

シャカシャカ

シャ カ 漏 れ している・・・

思えばわたしはいつも 漏らしてばかりいたものだった

身体にボカボカ開いている穴を コルクでふさいで

あっちもふさいで むりやりふさいで・・・

けっきょく爆発

息止めなさい、いや 息しなさいよ・・・・

呼吸の仕方も分からずに

ぱあんと 弾ける

わたしのチャックは壊れっぱなし

ほんと ぽっかり 開きっぱなし

いま わたしが意識不明で倒れたら・・・

いま 強風でコートが めくれたら・・・・

・・・だめだ この壊れたチャックだけは 見せてはならぬ・・・・

駅員さん 見つけないで

チャックのあいた片思い

スウ スウ スウ・・・・

なにやら すずしい 気分です

ほんとはそんなに嫌いじゃないのかな

スウ スウ スウ・・・

そして、わたしは思い至る

スマートにコートを着こなした駅員の

チャックが 

あははは

もしや

壊れていた

ら ?