駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

風邪にくずれて

風邪を引くと人格が円満になるらしい

熱発のセレナーデ

それほどひどくない風邪のまんなかで

布団から出たり入ったりしながら

さらさらと さらさらと わたしの輪郭は崩れてゆく

わたしの体が膨張して風船球になり

その中心で光っているもの

かろうじて 自分とは何かと 問いかけている

細い針金のようなものが わたしだ

だれかに自分をあずけることが今ならちょっと平気かもしれない

だれかに自分をもたれかけることが今ならちょっと平気かもしれない

矢印の行き着く先にたどり着いたみたいに

ひとりぼっちで暖かく抱かれている夜

わたしは寝込んでいるくらいのほうが世の中のためになるらしい

風邪を引くとわたしが建築中だった何かが

さらさらと崩れて

 ああ もう 何もかも持っていって・・・くだ・・さ・・・

ことばが 出てこない

おかげで今日は誰のことも傷つけなかった

そして

抹消される

わたしというものが

さらさら さらさら

おやすみなさいの、砂漠へと