駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

小田急にまた、やられてしまった・・・・

BBSで教えていただいたので、小田急ポスター見物のために、小田急に乗ってみました・・・・・

・・・おお、小田急駅員は わたしに 何をさせたいのだ・・・・

・・・お客様を思う気持ちを 今日も磨いているのか 小田急の駅員・・・

・・・わたしは 重ねられた手袋の向こうの 腹部が 気に なる・・・・

・・・小田急駅員の腹に飛び込んでゆきたい そうしたら駅員はきっと

    わたしのあたまを 磨いてくれるのだわ・・・・

久々に乗った 小田急線・・・

10両目に腰掛け、進まない急行電車で

・・・・もだえている。

「けさ 新百合ヶ丘で 急病人を介護しました。

その関係で 上り電車に遅れが生じ

その遅れのために 下り電車にも 遅れの影響が 出ております・・・」

わたしは閉所恐怖である

とくにトイレがない閉所がダメだ(なので特急とか飛行機は大丈夫)

20歳過ぎの小田急の急行が わたしの閉所恐怖を育てた

(20歳過ぎの小田急の駅員が わたしの駅員愛好を育てた)

そんなわたしが 小田急の急行の中で 

まだ「マシ」なほうの「向ヶ丘遊園新百合ヶ丘」間で

こうして もだえている・・・・

いい年をして もだえている・・・

何しろ 乗った電車が動かないのだ・・・

のろのろとした運転・・・

窓の外には冬の青空

ああ、通過するはずの駅で 通過電車が停車しているのだ(※ドアは開かない)

そして そのなかに わたし

うううううううう閉所だうううううううううううう・・・

車掌は50代くらいだろうか、優しげな声でアナウンスを繰り返す

 (新百合ヶ丘で急病のお客様の救護を行いました・・・・)

 (・・・・複数の文章からなるアナウンスの新鮮さ・・・)

いや、だけど、おかしいのは自分自身だ

だだだだだ・・・スイッチが入る音がして・・・・

ががががが・・・身体が変質してゆくメロディが聞こえる

あけて、あけて、ドア開けてよう、おろしてよう・・・

そうか、これがパニック症状というやつなのか

こんなにすいた電車で 閉所というだけで 

いや 閉所に気づいたというだけで

身体のあらゆる循環経路が 縮み上がり 膨らみ果て 

心拍は激しく波打ち

手足はキーンと冷えて

血の気が引いてゆくのを感じ

そうして最大の心配の種 腹部の感覚が やってくる

きゅーっと締め付けられ蠕動する循環系

おとなしくしなさい、消化器系

粗大な動きになりゆく呼吸器系

俺 爆発する

俺 破裂する

俺 飛び散って

俺 こわれる・・・

・・・あほらしいことだ

快適な車内なのに・・・・

座席にも横になれそうなほどすいた電車で

いったい 何を どうしたら そんな 恐怖を感じる身体反応が 起きるというのだ・・・

高校時代も 電車でのG痢恐怖はあり 実際によくG痢をした

だけど 

こんなに 自動的に 閉所恐怖が 起きるわけではなかった・・・

いま G痢など 起きないと 頭で分かっているのに

なぜか 身体の反逆が 止まらない・・・・

あああああ あほらしいことだ・・・

わたしが当事者でなかったら

雑誌を読んだら とか 音楽を聴いたら とか

気を紛らわせるように言うであろう

しかし、それらがまったく効かない ・・・・

向き合うしかない・・・・

開き直るしかない・・・・

閉じ込められた小田急車内で閉所恐怖者がひとりでシンポジウムをします・・・

 「けさ 新百合ヶ丘で 急病人を介護しました。

   その関係で 上り電車に遅れが生じ

     その遅れのために 下り電車にも 遅れの影響が 出ております・・・」

・・・わたしだって大変な状況だが 車掌や運転士はもっと大変に違いないじゃないか・・・

少なくとも

いまこの車両にわたしを殺そうとしている人はいない

刺そうとしている人も 略奪しようとしている人も いない

 信じるのだ・・・

  (うわ、うわ・・・・胃が痛くなってきた・・・)

 ・・・いや、

 ・・・たぶんわたしはこうなったときの小田急を 信じていないのだ・・・・

精神集中しなくては・・・

ここは旅館の和室です、車掌さんのいる和室で、待機しているのです、そうにちがいない・・・・

ここは噂に聞く満州の引き上げ列車の車内です、一等列車です、すいています、きれいです、到着は3日後です・・・・

ここは救護車内です、もう安心してください、ここは救護車内です、これから病院へ向かいます・・・・

ここはハイウェイの渋滞中です、抜けるのに1時間かかります、うそ、ここは小田急車内、せいぜい10分もあれば駅に着くであろう、遅延している急行車内です、ほら、たいしたことない・・・・

ここは閉ざされたエレベーター、あなたは一ヶ月間ここでサバイバルしなくてはならない、うそ、ここは小田急車内、まあ20分はかからないで外に出られるでしょう、よかったね、よかったね・・・・

・・・それにしても小田急の、駅員が完璧でなくてはならぬという思い入れは ただごとでない・・・

ホテルマンのようにお客様の立場で接遇をしなくてはならなかったり

アナウンサーのように綺麗な滑舌でアナウンスをしなくてはならなかったり

車椅子の取り扱いに精通しなくてはならず

マウストゥマウスの人工呼吸のしかたを覚え

AEDの取り扱いにも慣れ

心臓マッサージも出来るように研修され(オダキュウボイス11月号より)

そのうえ鉄道のプロフェッショナルであり

しかも美しいことを宿命付けられた

小田急の、鉄道員。

あなたの腹部に飛び込んでわたしなど生まれる前に戻ってしまいたい・・・・

 小田急の車掌はいつも お客様を思う気持ちを 磨いています・・・

そんなこんなで まさに「乗り切った」

言葉通りの意味であろう、「乗り切った」

急行電車の車内で 前を歩く車掌の靴音に 少しだけ 助かったような 気がした

何かあったら 車掌に訴えるのだ・・・

何でもいいから 訴えるのだ・・・・

「いい天気ですね」

そんな言葉でも いいから・・・・

などと思いながら「乗り切った」

丹沢の稜線が透き通る空気の向こうに輝く

16分遅れで到着した駅

やっとのことで降りたった わたしは

まだまだぜんぜんまだダメだ!

まだまだ小田急に受け入れてもらえない、わたしは・・・

まだまだ小田急のレベルに達していない、わたしは・・・

まだまだ小田急の駅員さんには届かない、わたしは・・・・

そんなはがゆい

思いを

いだいた

みなさんお疲れ様です。

今日も安全な運行を、ありがとうございました。