駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

車掌に抱かれて、抑止。

武藏小杉でお客様が転落しました関係で 電車遅れましたことを 大変お詫び申し上げます・・・・

けさ 東急東横線のラインにそって そんな声が数百回は 響きわたっていただろう

いつもと変わらぬ けだるい曇りの朝でした

わたしは自由が丘駅をでたところで 

駅と駅のあいだ

抑止

されている・・・

 ああ・・・・ひとびとの吐息が死んでゆく

 ああ・・・・反乱の予感におびえながら

 抑止・・・・

 ・・・じつはわたしは閉所恐怖症なのだ

 や やめてくれよう・・・ よ よくしは・・・

 あ、息が止まりそう・・・・・よ よくしだ・・・

 静かな静かな通勤ラッシュ

 ひとりひとりがみえないエキスパンダに抑止されている

  車掌に逢いたい・・・・

  ひざがふるえてくる

  車掌に逢いたい・・・・

  ああ

武藏小杉でお客様が転落しました関係で 電車遅れましたことを 大変お詫び申し上げます・・・・

・・・・わたしはこんなところで止まっているわけにいかないのです 前に 前に進まなくてはならないのです 止めないでくれ ガラスをたたき割って 前に 前に 前に・・・と 停まった車内で 走り出したわたしの身体を 後ろから抱きしめる影があった グィグィ!! 紺色のコートを着た 髪のうつくしい男性だ そう 車掌だった 車掌がわたしを後ろから抑止するのだ 男性というのはものすごい力をもっているものだ 離して!と言っても 車掌はわたしをはなさない 車掌に抱かれて・・・・抑止。お客様 これが抑止なのですよ お客様 アナタはいま 生きているでしょう 循環しているでしょう しかしいま 東急線は停まっているのです わかりますか、といって 車掌はその腕を伸ばしてわたしの鼻の穴に指をつっこむ、そしてわたしの口にも白い手をつっこむ、いいですかお客様、本当の抑止を教えてあげましょう、車掌の身体はものすごい背筋力にてわたしの胸を締め付け 腹を締め付け、上着から下着からみんな みんな 把握しているかのように 車掌がわたしを検閲し ほ ら 世田谷区の線路上、お客様、みんな、抑止ですから。我慢しなさい 我慢しなさい・・・・車掌の美しい指先はわたしのくちをふさぐだけでは飽きたらずわたしの肛門までも指で締めてゆく、ああ もうこれで漏れないですむかなあ、安心するね、車掌の抑止。キスされながら肛門を愛撫されるってどんな気分かしら、少しだけ沈みなさい、この水辺で、顔を埋めて、蓮の葉のむなさわぎ、息を止めて、車掌に強く抱かれていたい、申し訳ございません、電車遅れまして、お急ぎのところ・・・いえ、いいのよ。すべての乗客が静止した銀色の箱の中、わたしは車掌のものに、なるわ、ええ、なるわ、それが抑止、でしょう、か、「いえ違います、じゃあサヨウナラお客様」と、電車が動き出した、ああ、生き返る。