駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

風船から手をはなさないで

風船を見せびらかしてあるくひとが

地下鉄にいるわ・・・

って それはわたしです・・・・

秋のジャケットに 膨らみすぎた風船を隠しつつ

しかしそれを取り出しては にやにやしてる

活字をちりばめた風船

 麻 生 太 郎

文字

 風船から手を離さないで下さい・・・

  風船が電線に触れると 列車 運行できなくなってしまいます

   白い手袋の駅員がしずかに言い放つ

   よくみると皺の深い

   うるし色の駅員だった

      東京メトロはホーム柵に気合を入れて

      車掌さんはちょっとせまそう

      わたしは大事な風船をますます大事に

      手首に絡み付けては

      カバンに詰め込もうと

      している

  みんな みんな そうなのかしら

  隣の若いサラリーマンは朝からお酒臭い

  「おーいお茶」をがぶ飲みして

  風船を抱えている

  それから向かいには色白の中年男性が

  防衛と戦争は違うんだって話を

  いっしょうけんめい女の子にしていた

  脚本を書いている男性のようだった

  その男性の腹部にも

  風船

  ああ、6両目のさみしい乗客にむしろ差し入れのような風船の嵐・・・・

  いきぐるしいね

  

    風船から手を離さないで ください・・・・

     だいじに ね・・・・

      おだやかな車掌の声で

      坊やはもうすぐ

      空を 飛ぶ