駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

はやぶさ、大柄な車掌の夕映えは

京浜東北線は品川を出て

ガードをくぐって夜を迎えに「・・・・大船まで参ります・・・・」

秋の日暮れは俊足のランナーだ

10両編成を駆け抜ける

時間

車掌は小さな車掌室でその長身をもてあますように

ドアから少し離れた場所に立ち

・・・カバンの中の30センチ定規みたいだ・・

駅に着いたら身体を傾け

安全確認

その 自信に満ちた 指の角度よ

 もうすぐ大井町

 線路沿いにはJRの車庫がある

 たくさんの電車が息を潜めて発車を待っている

 車掌が見上げるたそがれに病んだ駅員の顔が浮かぶよ

 絞った葡萄の汁が降ってくる

 果たせなかった駅員たちのプロフィール

 少年のように痩せた駅員

 風船のように膨らんだ駅員

 病んだ駅員たちが・つぶ・つぶ・と・薄く笑って品川のタワーの遠くに消え去って行く

   と、向こうから、銀河鉄道999の車掌の「眼」がやってきた

   金属色の闇を照らす ふたつの光る瞳だ

   京浜東北線の最後尾からみる それは

   たぶん、東海道線だろう、

   ああ、この京浜東北なんてあっさり抜き去るんだろう・・・・

   車掌の輝く瞳が この車掌室に近づいて・・・・

   まぶしい・・・

   しかしそれは 思いのほかゆっくりと近づき

   そして わかった

   それは東海道線ではなかった

   熊本行きブルートレインはやぶさ」だった

   大柄な青い背中は

   なぜだか優しげで

   目の前にいる 大柄な車掌の背中に似ているように

   思われました

     ・・・すみませんが、追い抜きさせていただきます、京浜東北の兄貴!

     ・・・遠く 熊本までの旅 お疲れ様です はやぶさ君!

    まぶしい、きら、きら。

    ブルートレイン追いかけて

    病んだ駅員が たくさん たくさん きらめく軌跡を追いかけているよ

    みんなダブダブになってしまっても制服を着たままなのね

    病んだからだのひとびとが

    きらきら ゆるりと 鉄路を走っているよ

       待って 待って ! 僕を 待って!

       このまま 来ないで 夜も 夜明けも

       ・・・・ドア閉まります、お下がり下さい、ちなみに俺が ドア閉めますぜ・・・・

   目的地まで 目の前の大柄な車掌は その自信に満ちた背中を

   丸めないまま 

   堂々たる仕事ぶりだったわ

   病んだ駅員を吸い込み抱きしめ抱きしめ・して・健康な車掌がどんどん大きくなるよ、夕陽だね、幸せだね、綺麗だね、はやぶさのウィング、またどこかで。

   それから思った、

   きっと今夜、あの脚の長い車掌は

   女を抱くのだ、

   降車駅で階段を一個飛ばしに上がった

   その力強さ、

   はやぶさの羽根ゆるやかにひろげ、

   美しいうなじに着用していた 車掌なる衣服の金のボタンを

   その長い指で

   あざやかに 外して

   車掌を脱いで

   今夜あなたは 女を 抱く

   のだ