駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

降りないで車掌さん

東急は本日、見習い車掌の繁殖日のようで

鉄橋からそのはっきりとした硬質な声が

響いていた

二子玉川ほど川辺の美しい駅はない

わたしはずっとこの列車に乗っている

地上から地下にもぐりブラインドの熱はそのままにそれからまた地上に戻るこの電車にずっと乗っていた

多摩川が粒粒と光っている真夏

あごの辺りが引き締まってる綺麗な横顔

トーキュー、とうとう、急に、急に。

赤い腕章の見習い車掌が硬い肩をとがらせて

発車した列車からその身を

はみ出させていた

渋谷に着いたら降りてしまう

彼は

指導者と一緒に

降りてしまう

降りないで わたしはずっとあなたを追いかけている

真っ白なシャツから百合の香りをたなびかせ まだ車掌のうごきが身体に染まらぬ車掌見習い

その列車から降りないで

東京メトロの車掌が乗り込んできても

この列車から降りないで

ハリガネでできた骨組みだけの車掌がいつもそばにいる

わたしは降りない