駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

デント・プッシャーズ・ハイ

AERAの記事に「いつ終わる田園(都市線)の憂鬱」というのがあって、その記事に添えられている写真(の駅員)がすごいぐっときました。ラッシュのホームに、10名くらいの東急駅員がズラリと並んでいる写真です。

キャプションは・・・

「”押し役”駅員がずらり。”乗り降りの途中でもドアが閉まります”という物騒なアナウンスも」

そんな、押し役駅員にささげるポエムを書いてみました。

 デント・プッシャーズ・ハイ!

 なぜ 駅員あなたが吐いてしまうの

 なぜ あなたが急病人のような顔をして

 激しいラッシュの田園都市線では

 なぜ あなたがさきに壊れてしまうの

 あなたがわたしを押し込んだのではないか

 あなたがわたしを狭い隙間に差し込んで

 デント・デント・プッシャーズ!

 あの駅員の強いちからに

 おはようございます。

 ああ、人間とはこんなに可変だったか・・・

 人間を人形に置き換え在庫はハケたか在庫はどうだい

 立って入らなきゃ2つに折ればいい2つに切ればいい・液体の入った袋をいくつも詰め込み詰め込みして・・・俺にはこんなに強い力があったのか、と、いくらでも押せちゃう押せちゃう詰め込みすぎる癖のある駅員・なのに駅員あなたがどうして吐いてしまうの・押したあなたがどうして最初に袋が破れてお水の噴水になってしまうの・・・

 「・・・乗り込んでいる最中でも

       ドアが閉まることがあります

         次の電車をお待ちください・・・・」

 駅員 だからわたしは あなたを責めてはいないの

 駅員 ラッシュの田園都市線では数秒の時間を

 守らないと どんどんダイヤが遅延する

 だから わたしが身を切ることにしたの

 だから わたしは 身体を半分にうす切りして

 わたしの半分は次の電車を待つことにしたの

 高架線から新興住宅地に朝日が差す

 駅員はじめて人を押したとき その柔らかさにおどろいた

 駅員にはじめて押されたとき じぶんのからだが収納されることにおどろいた

 (広島出身のともだちは ラッシュは乗れないものだと思って ずっとすいている電車が来るのを待っていたらしい)

 袋はちょっとうつむいて

 駅員のために可変化するじぶんにおどろいた

 もうすぐ鷺沼 まぶしいね

 いいのよ いいの 

 いいんです いいんです

 駅員あなたは大事な夢を守ってくださいね

 駅員のコートのなかには光り輝くダイヤが隠されているのでしょう

 あなたのもち肌はそのダイヤを守りつくすことでせいいっぱい

 東急の夢に・・・・

 わたしも正しく刻まれたい

 なのに

 デント・プッシャーズ・ハイ!

 押したら駅員

 わたしを半分に切り取ったあと さいしょに吐いてしまう なんて

 いつもの冬晴れの朝

 駅員の足元に広がっている虹色の吐瀉物がだんだん乾いてゆくのをみている