駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮が描く東京の風景たち◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」駅

 

  けれどもこの鉄道は かつては海岸線だった

  ここより東は 本当の海だった

        青条美羽「平成の山手線の新駅」

 

 

2年前 神楽音の松岡主催イベントで

青条さんが「平成の山手線の新駅」を読んでいたころは

まだ あの駅名は 明らかになっていなかった

 

 

youtu.be

その後の発表には驚いた

山手線の駅名に まさか横文字が入るとは思いもよらなかった・・・

その駅の名は「高輪ゲートウェイ

 

読み方は なかかなわげーとうぇい。

 

そして

駅名表示が明朝体になる 

とも 思っていなかった・・・

 

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・・・ほほう・・・。

 

奥にみえる木地、大きなガラス窓、その向こうに透けて見えるイルミネーション・・・

 

今までと違う駅を作ろうとしたのが 伝わってきます。

 

山手線の駅名にカタカナは、少しびっくりでしたが

もはや山手線は完全な環状ではなく、「山手線の駅」に特別な神性が無くなったのかもしれません。

 

もともと楕円じゃないか・・・

いやハート形じゃないか・・・

もともと赤羽が入る予定だったよね・・・

品川駅は品川区に無いってホント・・・?

山手線の環状伝説にヒビが入り始め・・・湘南新宿ライン上野東京ライン、地下鉄に私鉄、いろいろな路線が入り乱れて、乗り入れて、概念のうえでも、もうひとつの円を成しているわけではないのでしょう。

 

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湘南の入り口ゲートウェイ

窓からの眺めは最高ですね。

 

 

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ホームの床が木地、というのが新しいと感じました。

 

とてもきれいな おうちみたいね・・・

 

・・・こんなに和室みたいなとこじゃ、酔っ払いがゲロも吐けないぞ・・・

 

そうか、和室か。

きっと コロナがなければ 観光客を多く招き入れるための ゲートウェイを 目指していたことでしょう。

だけどこんなご時世

観光客もなく

ホームに滞留するお客さんはほとんどなく

中にはお店もなく

人が少なく

寂しい感じのする駅でした。

 

・・・あっ

・・・駅員もいないのか!

 

何かとても足りないと思ったら 駅員さんがみえないのだ。

 

どこかにいるのかな、 みんなで呼んでみよう・・・

 おーい、駅員さ~ん!

 

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「はい」

と出てきたのは

紫色の目をした、女性の駅員だった。

首をかしげて 上の方をじっとみている・・・。

 

「駅について質問して下さいね!色々なお話もできます♪」

 

という 傾聴ボランティアのような女性の駅員であった。

 

え、色々なお話・・・なんだろう・・・ 

・・・恥ずかしがり屋のわたしは 色々なお話をすることができず まごつく・・・

 

もっと違う駅員はいないのか・・・

おーい 駅員さん!

 

ハイッ!

 と出てきたのは・・・

 

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なんか こども駅員みたいね・・・

すっきり簡単な顔をしている・・・・

 

それもそのはず この駅員は

ロボット駅員の飼い主みたいな駅員さんなのです。

 

このときは もう 休憩中でしたが・・・これも駅員さんね。

 

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それにしても いまどきの 駅員は ロボットみたいな顔をしている

あるいは

漫画みたいな顔をしている・・・・

 

もっと 人間味あふれる駅員さんはいないものか・・・・

おーい 駅員さーん!

 

と 叫んだら

 

「はい お呼びですか?」

人間のような肉体を持った 素敵な駅員が出てきました。

 

 

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あっ このソフトな笑みの駅員・・・見覚えがある・・・

 

以前 新宿駅で 働いてましたね!

昨年8月に、この駅員のことを書きました。

 

ekiin.hatenablog.com

そのときの写真です。

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同じ駅員さんですが

制服変更にともなって 着ている服が 変化しています。

 

もともとの制服のもつ ゴールドキラキラ感がやや地味になったことが感じられます。

でも 彼も 装いも新たに新駅担当となって はりきっていることでしょう

優し気な瞳を ぱちくり 瞬きさせながら・・・・

画面の向こうに本当に住んでいるみたいに

ニイハオ

ニイハオ

笑っていない優しい瞳の笑顔で

ニイハオ

ニイハオ

 

・・・この時 あまり時間がなかったので ゆっくりお話ができなかったけど・・・

 

今度会うときは もっと

「色々なお話もしたいわ・・・。」

 

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・・・お客さま、わたくしは「色々なお話もできます♪」なんて言った覚えはございません・・・・

 

・・・そうですよね。

駅員は傾聴ボランティアではないですものね・・・・

 

また来ますね。

 

それにしてもほんとうに人がいない

もっと駅員さん

いませんか

 

おーい 駅員さーん!

 

「ハイ。」

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と現れたのは女性の駅員さん。

ここの女性の駅員さんはお若い方が多いですね。

白っぽい髪にウェーブをかけて、まるで漫画のような駅員さんが 慈愛のまなざしでこちらを見つめている・・・

・・・まつげすごいですね・・・

・・・どぎまぎ。

・・・やっぱり 話しかけられなかった・・・。

 

のどが渇いてきた。

 

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それにしても

女性の駅員さんの解像度が やけに高くないですか?

と 思った その時

 

オリンピックを説明する 男女駅員のすがたが見えたのだ。

  

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おっ いいねえ。

このシンプルさ、モノクロのシルエットに駅員の美が詰まっています。

男性の身体が若干太いくらいで、髪型のほかは性差の少ない、とてもシンプルなシルエット。

しかし、駅員なのに まるでスポーツ解説者のように 競技の見どころや観戦ポイントを紹介するのか・・・

 

・・・駅員なのに 行われなかった東京2020オリンピック・パラリンピックをみんなで楽しむために・・・・

 

本当ならいま行われているはずだったオリンピックを楽しむために・・・

 

・・・世界のどこかで東京オリンピックをやっているのだろうか?

・・・そんなはずはない・・・

なにしろ いま 競技の見どころや観戦ポイント ではなく

病気の出どころや感染ポイントを紹介しあっている ところだろう・・・

 

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不思議な気持ちがした。

なぜこういうたぐいの広告を取り下げないのだろう・・・

もう 無くなったイベントなのに どうしてこの駅員は2020東京オリンピックを盛り上げようとしているのだろう・・・

 

駅員のホンモノなんて ほぼ居ない駅で

駅員のまぼろしだけが 誰かのメッセージを伝えるために存在していた

駅員のすがたを借りた 誰かのメッセージが さまざまな解像度で現れた

薄い肉体の透明な駅員たちは 線の細い笑顔で ひたむきに仕事をしていた

 

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雨が降って来た。

今年の梅雨は長い。

駅前は工事中で なにもない。

わたしはそして 傘を持たない。

 

そうだ

「この近辺に美味しいカフェはありますか?」

って

訊こうとしたんだった

 

だけど もう 見渡す限り 工事中で 

駅併設のスタバ以外には カフェなどないことが わかった

 

都内の建設工事で鉄道事情がめまぐるしく変わり

風景を一新させればかつての風景が忘れ去られることに気づかされる

だからこの寂しい風景を刻み込んでおきたいと思う

品川と田町の間の新駅

すぐにいろいろなビルが建って人が往来してゆくだろうこの駅がこんなに寂しく佇んでいたことを

オリンピックの思惑外れ 

観光拠点の思惑外れ

長梅雨で冷える高輪ゲートウェイ

めでたき新駅をさまよっているめでたい新技術たち

数名の駅員の亡霊たちの薄い笑顔が泳ぐ駅

そういえば昔は海だったのですね

 

 

  けれどもこの鉄道は かつては海岸線だった

  ここより東は 本当の海だった

        青条美羽「平成の山手線の新駅」