駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮の日々の記録◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

「Dr.キリコ~白い死神」読んだ

 

 

ドクター・キリコのスピンアウト「白い死神」

けっきょく全巻読んでしまった・・・。

 

オカルトっぽいネタが多かったですけど、キレイなキリコ先生、面白かった。

 

緩和医療認知症ケア・・・

かなり現代の状況に即していましたし

キリコ先生がちゃんとソーシャルワークしている感じが出ておりました・・・

って

そんな医師だったのか・・・!?

 

地域に出向くアウトリーチ診療外科医・・・いまの時代のニーズにマッチしているじゃないか・・・。

 

よく考えたらBJもそうだ・・・・彼の場合は無免許だけど・・・。

 

名誉のままに死にたいとか、自殺ほう助ネタも多かったですけど

「甘えてんじゃねえ」

って一蹴して 

その死を助けてなんてあげないさまが いいですね・・・。

 

生命、重んじてるじゃないか・・・

って

オリジナル版だって そうだったのに・・・

なぜか 悪役だったね・・・

 

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読みながら思ったことは・・・・

昭和47年生まれのわたしは 

<人命は地球より重い>

などと言われて育ち

ブラック・ジャック」全巻読んで、人命を救う技術をもったブラックジャックはかっこいいな、あんなふうになってみたいなあと思いつつ、とても面白く読んでました。

 

命あるものを救う手だてがあるのなら 死力を尽くして救うべきだろう

そんなふうに思っていました

 

・・・今気づけば 死力のなかには <死>が 入っているじゃないか・・・救うことのなかには・・・死が暗示されているではないか・・・

 

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わたしは性格がおめでたいし健康すぎて・・・

いわゆる「ドクターキリコ事件」があったときも

20年くらい前から「安楽死の権利を」という機運が盛り上がってきたときも

・・・そんな機運は、とんでもない!もちろん ありえない!

思っていました。

 

しかし自分の両親・義両親を見送って少し考えが変わってきました。

 

50代後半で癌になり60で死んだ母のときは

少しでも延命できるものはと

高価な天仙液などを買い求めたり(※まだうちにあります)

高価な免疫療法を施術したり

したものでした・・・・

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飢餓体験もあるから食に関しては貪欲で

もちろん健康に気を遣うわけでもないから(・・・この写真でも灰皿がみえる・・・)

糖尿病など生活習慣病のデパートだった父

病気の母を病院で見送り

病気の猫を自宅に連れて帰って見送り・・・

・・・猫に点滴なんて バカバカしい・・・

と言いながら ホットカーペットの上で猫を看取って

ゴミ袋に入れて保管している父が居た

 

80歳のころ旅先で

父が倒れた(1回目

助けて!くまもん・・・

ソラシドエア―で節約お見舞い

心臓バイパス大手術 

なんとか命が助かって

人生初のANAファーストクラス

自宅生活に戻ることができた

でも腎不全はもう末期

透析ライフがはじまった

 

・・・透析なんてバカバカしい・・・

・・・やりたくない・・・

・・・俺は払うのは上限1万円だが 透析にいくらお金がかかるか 知っているか・・・

・・・自己負担が3万円になったら 透析を止めるな・・・俺は・・・・

 

 

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碁会所 コンビニ ブックオフ

なんだかんだ2年くらいの自宅生活をエンジョイしていた父

透析の送迎車には(父曰く)バアさんばかりいて・・・

こんな豪華なものを食った、と、食自慢ばかりしている・・・

俺は車には乗らないんだ・・・

何しろ送迎車は遠回りするんだ・・・俺の家なんて後回しさ・・・

バアさんたちも食べてるといった

透析しているんだからてんぷら食ってもいいらしいぞ

焼きにく食ってもいいらしいぞ

そんなお父さんもずいぶん食にこだわっている・・・

もちろんワタミの宅食配達なんて反対・・・

コンビニでハムとか買うのがいいんだよ・・・

 

 

 ・・・そういえば漫画のキリコも父のテーマがよく出てくる

BJはわりと母との精神的紐帯が描かれているが

キリコの物語は父との物語

科学と学びと社会情勢と身体状況と経験のテグス糸がからみあってほどけないで一本の糸になるとき

ふとした光のかげんで糸は七色に輝く

そんなときがある

これまで赤だったものが青になることもあれば

緑色になったり

透明になったりする

父はそのすがたをはっきり見せない

父のこぼした破片の輝きで 父の本体を想像するしかないのです

 

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82歳のころ碁会所帰り

父が倒れた(2回目

と病院から連絡があった

心臓マッサージをしてやっと動き出した心臓

人工呼吸器管理と低体温療法のベッドサイド

対光反射あり

だけど目覚めない

脳になんらかのダメージがあるのかもしれない

ICUでこんこん眠っている父は

くまもんの時とは違ってむしろ痛みも苦痛もなく安らかにみえました

顔がふっくら見えるのは・・・・

それは・・・・

 

むくみのせい・・・

 

どんどんたまってゆく 水分のせい・・・・

 

ちょっとさわった父の手も 少しふっくらしてみえました 

じいさんの手だなと思いつつ・・・

その手に育てられたことなんて 忘れつつ・・・

ああ、いい寝顔。

 

東名は渋滞する

機能しない腎臓と

溜まってゆく

水・・・

 

 

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「長男・長女・次女の話し合いにより、透析治療は行わない方針としました」

 

 

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書類にはご丁寧に

 

「次女様ご自身が透析治療の必要性についても疑問をお持ちのようでした」

 

などと 書いてある・・・

 

ああ 次女様の この手は・・・小さめで・・・

ふっくらした子どものような手だと

つるりとして苦労を知らない指だと 

仕事をしない人の手だと

親にはバカにされた 次女様だが・・・

わたしの この手で やったんだなと思う・・・

 

ああ・・・この手が死期を はやめることを したんだなと思う・・・

 

ドクターキリコのスピンオフ漫画を読んでいて

率直に 思った・・・

 

 この日本で「安楽死」は行われてきたしこれからも行われてゆくんだろう・・・

 

・・・ドクターキリコみたいに丁寧にルールを設け、基準に合わなければそれをしないといった、いわば人生ではなく生命そのものに対する真摯で丁寧な配慮もなしに・・・

 

命が軽くあつかわれてゆく

そんな現場もあるのかもしれない・・・

病院に限らず・・・みえない現場で・・・

いまや現実のほうが先走っているのかもしれない・・・・

いや今に限ったことではないのかもしれない

<人命は地球より重い>のならばこっそり処理しなくてはいけないことがあるのかもしれない・・・

わたしはものを知らなかっただけかもしれない・・・

 

そんなことを思ってしまったのです。

 

 ドクターキリコが むしろ この社会においては 丁寧で 優しい と 思ってしまう とは・・・

変わったのは 自分かもしれません。

・・・わたしは すぐに 影響される・・・

・・・風に 流されないようにしないといけない・・・

 超えてはいけない線

たしかにある線

あのとき一瞬みえた線

この手が触れたような気がした白い線

 

その線を踏み越えないようにしないといけない・・・

 

<人命は地球より重い>かどうか わたしにはわからないけれど

生命は人生ではない

生命はまちがいなく尊いものだ

 

いろんな世界で出会ったひとたちのことを思い出した

もう会わなくなったような人たちも

あったことがない人たちも

道端の躑躅の花たちも

みんながちゃんと天寿をまっとうできますように・・・

祈ってしまいました。

 

。)

 

 

てなわけで

ちょっと肉付きのよいキリコ先生への萌えがあふれるスピンアウト漫画

おすすめします。