駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮の日々の記録◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

恋の自由席

f:id:miya_ma:20181223232338j:plain

 

トレイン トレイン 

恋は自由席・・・

 

お客様切符を拝見します、そう、お好きな席に、移動しても大丈夫ですよ

 

そうだ 恋は自由席

警備員が駅員に恋をしたって いいのだ・・・

 

f:id:miya_ma:20181223234945j:plain

 川面に、しぶき ぱしゃり。

小川の滝の途中でひっきりなしに行き交う鮭のぴちぴちの・・・・

いや 間違えた

自動改札を行き交う旅人は小川を渡る鮭のような・・・

いや 間違えた

自動改札が最近 心を持っているように見えるんだよね

旅人が川の流れそのものなのか

駅員だけが滝もとに留まっている魚なのか

新幹線の駅に冬が来て改札口にはぴちぴちと全身で泳ぐ駅員たち

いやもしかして熊さんか

鮭をくわえた熊さんの彫刻みたいな駅員なのか

改札口ではいつも事件が起きる

人が止まって 声をかけられ 忙し過ぎる駅員が

脚が生まれ始めた いたいけな人魚のようなJR東海の駅員が 

いま はさまれるのを警備員がずっと見つめている

「あぶない!」

警備員が叫ぶ

 

駅員の 本当の敵は・・・・自動改札の閉まる部分だったとは

あの襞(ひだ)が動物たちを苦しめにくるのさ

しゃぷぷぷ しびびび

・・・水しぶき・・・ちゃん!

 

はさまれた駅員が身を立てる

改札内と改札外の境目に駅員は立ち動物的なその身をぴちぴち立てる

川が滝になる急流の瀬の波しぶきに虹が生まれる

<動物乗客のみなさん遠距離の旅の途中で どこかにまた行く お疲れさまです>

 

「あぶない!」

警備員が また叫ぶ

 

駅員に恋をしてしまった警備員が心のなかで叫ぶ

 

だけどその叫びは声に出してしまったらいけない

走り出せない恋の自由席

普通、だ・・・・

普通、そうだろう?

 

f:id:miya_ma:20181223235013j:plain

 

トレイン トレイン 恋は自由席・・・

 

お客様切符を拝見します、そう、お好きな席に、移動しても大丈夫ですよ

 

そうだ 恋は自由席

警備員が駅員に恋をしたって いいのだ・・・

だけどライバルは自動改札

流れをせきとめる自動改札の波しぶき

自動改札の閉まる部分は駅員に夢中で駅員の脚を捕まえもうキミを離さないぞと機械の傲慢さでぎゅっとしてしまう・・・

 

あああ

 

せつなく見つめる警備員の瞳がいとしさで潤む

駅員と警備員と自動改札の三角関係

僕たちは駅に住みつき旅立てない

僕たちはどこにも旅立たない列車の自由席に座って

ただ 恋を 続けている

 

f:id:miya_ma:20181223235034j:plain