駅員観察日記(はてな編)

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もう鉄道は地上を走らないかもしれない

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もう鉄道は地上を走らないかもしれない

線路のわきに若い草が揺れるのも見納めかもしれない

フロントガラスに蛾がぶつかるのも

鳥たちがよけてゆくのも

めったにないことに なるかもしれない

自然という名の偶発性のなかで

列車はとてもたくさんの事態に出会う

ときには雹が降ってくる

運転士はそのたび心みだされる

動物や虫たちに遭遇し

さくらの波しぶきを浴びながら

アジサイが咲き乱れている風景に出会う

運転士の瞳を透かせる夕映えの赤

地上にはあまりに多くのコンテンツがあって見尽くせないほどの映画の山、つらい

痩せた運転士にはもうそんな幅がない

だから

もう鉄道は地上を走らないかもしれない

むきだしの自然のなかを走るのは怖いことだから

もう鉄道は地上を走らないかもしれない

「いのちのたいせつさ」

意味の広がりをもたない痩せた言葉ばかりの街で

無駄な草花たち

無駄な虫たち

追い立てられても育つ自然がゴソゴソと音を立てながら

そっと季節を数えていました

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