駅員観察日記(はてな編)

◆ポエトリーアーティスト松岡宮の日々の記録◆このブログはアクセスカウント以外のアクセス解析をいたしません◆

駅と駅の間で立ち往生する電車に関する殴り書き

「・・・・電車 安全確認のため 停車しております・・・」

と 駅と駅の間で 止まる電車

立っている人も多い 静かな電車内が

車掌のアナウンスに耳を澄ませる

 ああ、やめてくれ、進んでくれ・・・・

 わたしは密閉された場所が 苦手なのだ・・・・

 何事もなかったかのようにカバンをあさってみるけれど

 時間の経過とともに体の芯がしびれてゆく

 けはい・・・・

「・・・電車 ただいま安全の確認を行っています・・・

  お急ぎのところ恐れ入りますが しばらく お待ちください・・・」

 ・・降りたい・・・・

 体のあちこち、ジンジンと、可聴できない音が鳴る

 こんなときは内臓に気づいてしまう

 やあこんにちは、とくに消化器系に

 暴れないで胃腸

 動かないで胃腸

 この停車中の電車とおなじに

 眠っていなさい

 ああ、このたくさんの乗客たちの、

 誰の胃腸も暴れないで

 誰の膀胱も暴れないで

 

・・・ああ、早く出して 早く出してヨウ、出せなくても、どうか動かしてヨウ、詰まりに詰まったこの電車を、少しずつでいいから動かして、徐行して、・・・・死にたい、たのむよ、たのむわ、おい、JR、いえいえ、もしもし、偉大なるJRさま、電車が駅と駅の間で止まっているというのは、・・・・・死にたい・・・そこで動脈が止まっているということ、そこで乗客は細い首を閉められてうっ血したまま放置されているということ、ああ、死ねないから、死にたい、電車は止まってしまったの、わたしも止まってしまえばいいのに、わたしはちっとも止まらない、みんな静かだ、みんな死に方が上手なんだな、わたしもはやく死にたいです、ああ、だけど、生きている、心臓がこんなスピードで打ったら、死んじゃうの?ってうるさいな、ほんとうにわたしの体はうるさくてやりきれません、わたしは電車が止まれば止まるほどに自分の中の暴風雨が勢いを増しグルグル膨らんでわたしの体を飛び越えてゆきそうになるのを、感じている・・・・JRの指令に、この電車が見えていなかったらどうしよう、この電車の存在だけ、すっかり忘れ去られているんじゃないかしら、ああ、放置しないで、見捨てられたら乗客はみんな死んでしまいます・・・・

ふと 思う

いままで性交渉がうまくいかないということを、それは、上手に死ねないんです、よね、そういうひとに限って、冬の星座に包まれながら、パアーーーン!ってもう、ビロビロデロデロってしたいのに、ね、隷書体みたいな堅苦しさで、トイレに行けば音を消し、コートを羽織ればベルトを締めて、だめ!そんなんじゃ、たいへん。いいですか、電車というのは駅と駅の間で止まったりするものなんです、そんなときにはゴザひいて弁当でも食べてりゃいいんです、・・・そうだね、そうだね・・・・腹痛への痛み、失禁のぬくみ、「カウンセラーに打ち明け話をしてしまったわ、このカウンセラーを殺さないと!!」なんて必要はなかった、暴露ウィルスにすべてを盗まれてしまったわたしの大腸の桃色、いいんだ、いいんだ、この果物をどうぞ持っていってくださいと書いて森の果樹園、恥ずかしいわたしを見ないでください、だけど匂いはかくせないから、ごめんなさい、ごめんなさい、最初から隠そうとしなければ、こうして失禁することもなかっただろう、いつもほんとうの敵は 閉所だとか 止まってしまった電車とか じゃなくて 人だった 人々だった・・・・人々のなかにいる わたし自身が いつも 自分の敵だった・・・・・春の日差しが痛いほどです、すばらしい青空のもと、わたしはもうすこし自分を溶かしてみようと思う、自分の輪郭線をもっと淡い色にしようと思う、安心オムツのような微笑のなかへ瞳を閉じてもたれてみたい、オープンセサミ、思いが募れば涙がこぼれて、自慰をすれば涙があふれて、恐怖のなかでは言葉がこぼれて、固体よりも液体のほうがいいですね、わたしは液体のもつ美しさにもっと近づきたいのです、でも、まだ、電車のなかだから・・・・・雑巾を持ってきてください、駅員、車掌、いつもいつもわたしの失禁を拭き取ってくださり申し訳ありません。